ユーロ上値の重さ再認識!戻り売り継続?
注目された欧州中央銀行(ECB)は事前予想通りに0.25%引き下げ、政策金利を1%とすることを決定、一部では0.5%の引き下げが視野にあっただけに、一時ユーロの買い戻しが先行した場面もあったが、その後の記者会見において、ドラギECB総裁が国債購入の拡大を先週示唆した覚えはないと指摘する中、包括的な危機対策として浮上していた国債買い入れ拡大や国際通貨基金(IMF)への融資案については否定的な見解を示している。同総裁は、ECBはIMFのメンバーではなく、EU条約では政府への金融支援は禁止されていると述べ、ECBによる国債購入拡大を改めて否定したことから、市場には失望感が広まる中、ユーロドルは1.34ドル台半ばから1.33割れへと急落している。
一方、EU連合首脳会議の声明草案が伝えられる中、財政規律の強化を踏まえた上で、財政赤字をゼロ目標とし、長期的にはユーロ共同債発行を検討、そして、EFSFとEMSの共存などが盛り込まれているが、ドイツ政府高官が拒否との見解を示しているように、ユーロの実体経済にとってはハードルが高すぎると言わざるを得ないだろう。
他方、欧州銀行監督機構(EBA)はユーロ圏債務危機への対応策の一環として、欧州の銀行には1,147億ユーロ規模の資本を新たに調達する必要があると指摘しており、年末越えの資金調達難が改めて意識されている。
その他では、ドル円は一時リスク回避による円買いが進行して、77円割れが視野に入ったが、その後は覆面介入の噂やポジション調整買いが伴い下げ幅を解消している。