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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ一色も上値の重さ不変!今週のペットチャート公開

欧州債務危機が渦巻く中、昨日はドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領の会談が行われ、経済協力強化に向けた欧州連合(EU)条約改正への決意を表明する中、両首脳は8〜9日のユーロ首脳会議に臨む共通の基本姿勢を示している。
内容的には、ユーロ加盟国に対して、財政赤字ルール違反国に自動制裁などの財政規律の強化を目指す新条約作りとなっているが、抜本的な危機打開策になるかは未だに不透明な状況にある。
市場は独仏のEU新条約に向けて合意が好感され、ユーロは一時対ドルで堅調に推移していたが、改めてユーロ共同債が否定されたことから上げ幅を縮小しているように、市場は相対的にポジション調整主体の展開を余儀なくされている。
一方、独仏会談において、ECBの独立性を確認したものの、具体的解決策が示されなかったことに加えて、格付け会社S&Pがドイツを筆頭にした欧州のトリプルA格6ヵ国を含む、ユーロ加盟国17ヵ国の格付け見通しをネガティブにする用意があるとの報道が嫌気され、ユーロを中心に米ドル買い・円買いが進行、ユーロドル及びユーロ円はそれぞれこの日の安値圏まで下落している。仮に格下げとなった場合には、トリプルA格であるドイツ、オーストリア、ベルギー、フィンランド、オランダ、ルクセンブルクは1段階、その他は最大2段階の引き下げの可能性が指摘されており、ユーロの戻りは限定的と判断するのが無難であろう。
他方、ユーロ一色の相場環境の中、ユーロの存亡危機に対して、表面的にはフランスとドイツの意見対立は回避された格好であるが、ユーロ加盟国17カ国の合意に向けての難航が予想されるだけに、現時点ではユーロの波乱含みの展開をイメージして臨むことしか良策はなく、通常よりはレンジ幅を拡大して戻り売買に徹することが賢明であろう。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年12月04日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.2100 現状乖離幅0.2163→0.2105(A)100÷104.55=0.9565−(B)1÷1.3404=0.7460⇒0.2105
先週の様子見77.75円から若干上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル78.00円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、買いシグナルが点灯しており、77〜79円のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(76.00〜77.00)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 28.00円 現状乖離幅 25.10→26.55円
先週の強めの買いシグナル1.32283から上昇に転じており、今週は通常の買いシグナル1.3404が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、1.34割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3650〜1.3750)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 2.35→−1.70円
先週の強めの買いシグナル0.9698から上昇を速めており、今週は弱めの買いシグナル1.0218が点灯している。中期チャートにおいては様子見から売りシグナルに移行しており、0.9800〜1.0400のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.0300〜1.0400)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.00円 現状乖離幅 20.30→17.40円
先週の強めの買いシグナル0.7389から上昇を速めており、今週は通常の買いシグナル0.7769が点灯している。中期チャートにおいてはポジション解消売りを伴い、売りシグナルが点灯しており、0.7500〜0.8000のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.7950〜0.8050)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 1.25→1.50円
先週の強めの売りシグナル1.0493から下落しており、今週は弱めの売りシグナル1.0196が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルからポジション解消買いを伴い様子見が点灯しており、1.0000〜1.0500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.0000〜1.0050)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.00円 現状乖離幅 42.20→43.70円
先週の買いシグナル1.5428から上昇に転じているが、今週も引き続き買いシグナル1.5603が点灯している。中期チャートにおいては弱めの買いシグナルが点灯しており、1.55割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.5750〜1.5850)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −13.00円 現状乖離幅 −5.75→−6.70円
先週の強めの売りシグナル0.9311から若干下落しているが、今週も引き続き強めの売りシグナル0.9209が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8600〜0.8700)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 17.95→19.10円
先週の乖離幅から拡大しており、今週は短期&中期チャートで豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月平均は181.95円、11月第1週は185.95円、第2週は183.20円、第3週は180.95円、第4週は180.55円。そして、今週はユーロ円104.55+ドル円78.00=182.55円と未だに円高圏内に位置している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 17.10→17.15円
先週の弱めの買いシグナル0.8574から変化はなく、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.8591が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、0.8300〜0.8800のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8650〜0.8700)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 19.35→19.85円
先週の弱めの売りシグナル1.2317から変化はなく、今週も引続き弱めの売りシグナル1.2344が点灯している。中期チャートおいてはほぼ様子見が点灯しており、1.2000〜1.2500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.2000〜1.2100)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 32.00円  現状乖離幅 36.45→37.00円
先週の売りシグナル1.4365から変化はなく、今週も引き続き売りシグナル1.4368が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.45台前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3700〜1.3800)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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