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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドルの雪崩れ現象早まる?

自宅から最寄り駅までは徒歩で10分近くあるが、雪が降ると坂道もあり、優に15分以上はかかってしまう。今年のように各地での大雪による被害を聞くたびに、雪の降らないことに感謝しなければなりませんね。先週の土曜日は雪が降り積もる中、娘は学校、女房も出勤日といつものように送り迎えを催促される。2人で意気投合しているかのように、玄関で待っている始末である。さすがにムッとして、いつものように『俺は運転手でもないし、タクシーでもないんだぞ』と言えば、即座に返ってきた言葉が、『タクシーじゃなくてハイヤー。』。。。。 昇格か?
昇格と言えば、為替ディーラーは圧倒的にドル円担当者がトップディーラーの地位を築いており、以前は経験則と実績を積み上げて、ドル円ディーラーに昇格することが一つの夢でもあったが、今では、高金利通貨思考もあり、顧客のニーズも考えると、オセアニアやポンドなどのクロス円ディーラーの方が活躍しているのかもしれませんね。しかし、それよりも活躍しているのが確実に儲けられる外貨預金の担当者とも言えますが。

●先週のライブドアショックから立ち直りを見せている株式市場であるが、いまだ興奮冷めやらず、株式市場は波乱含みのスタートとなるであろうが、先週は為替市場には全く影響を及ぼさない程度の円安局面であっただけに、相対的には米ドルの上値の限界を感じさせる市場である。
為替市場の方向性もFOMCの利上げ観測後退もあることから、かなり憶測が飛び交う週となることは間違いなく、思惑的な投機筋の出番も増えるため、一喜一憂する局面が推測される。いずれにしても、米金利動向や日本の株価動向に注目しながら展開ではあるが、その他にもテロ警戒、原油価格、そして米経済の不透明感と材料には事欠かないが、為替を取り巻く環境が日替わりメニューのように見られる状況下では、更に難易度が増し
ている為替相場と言える。基本的にはデフレ経済を脱却目前にある日本経済の景況感が一歩リードした感もあり、円高に対する嫌悪感は薄れているのがマーケットの流れであろう。
●米経済もインフレが抑制されつつあり、長短金利も完全にフラット化している状況で今月末のFOMC金利政策発表が行なわれるが、現実に何が飛び出してもおかしくない状況であり、思考錯誤の展開は避けられない。相対的にはポジション調整を強いられる局面も考えられ、ポジションを軽減しながらの売買が賢明であるが、米ドルの上昇が116円台からは限定的と判断して、基本的には米ドルショートに妙味がある相場と判断する。
週後半に控えている米経済指標に関しても、米耐久財受注および第四半期GDPにでも悪材料が出るようなことになれば、米金利の連続的な金利上げも次回で最終章となる可能性もあり、また、かねがねグリーンスパンFRB議長も懸念していた米貯蓄の減少傾向
が鮮明になっており、米経済の双子の赤字問題に再び表面化することも予想されるなど、貿易不均衡を含めて、総じて米ドルの先高感は強くないであろう。
     
*******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
*作成年月日 2006年1月22日(日)
*先々週から乖離幅の調整が進み、どの通貨も大きな歪みが見られていない。
強いてあげればNZドルの弱さが目立ち、同通貨の買いと共に、オセアニア通貨の
スプレッド取引に妙味が増している。基本的には動きが生じてからの始動が正解である。
▲ドル円 【ユーロドル⇔ユーロ円】
115.30円には弱めの売りシグナル、少な目の売りを勧める。
114円台は様子見レベル。
▲ユーロドル(『ドル円−ユーロ円』平均基準乖離幅25円 現状乖離幅24.65円)
先週に引き続き弱い売りシグナルが発生しているが、様子見レベルの1.2138である。
乖離幅の拡大及び縮小を待ってからの始動に徹したい。
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅29.10円)
強い売りシグナルではなく、依然として様子見状態が続く、0.7476の様子見 
★NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅33円 現状乖離37.00円)
NZDのみ弱さ【財政悪化。過大評価】が目立つ展開であり、先週よりも乖離幅が拡大34.50→37.00円に達しており、0.6790の買いチャンス到来。
★カナダドル(ドル円−カナダ円 平均基準乖離幅18円 現状乖離幅15.25円)
先週の買いシグナル1.1604から、更に下落し、買いシグナル1.1524点灯中
▲ ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅25円 現状乖離幅26.40円)
まだ不十分な乖離であり、1.7710では弱冠の売りではあるが、様子見継続中
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均基準乖離幅23円 現状乖離幅25.00円) 
1.3138のショートを1.2702で解消後、再び乖離幅拡大も、売買シグナルは出ておらず、1.2768で様子見レベル。
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅6.50円)
先週乖離幅6.40円→現状乖離幅7.90円へ急拡大
最近の経緯4.25円→5.75円→6.20円→6.45円→7.20 ⇒6.40様子見から一変し、7.90円へ、1st ステップチャンス到来、豪ドル円売り・NZD円買いを推奨。
▲単純加算方式 ドル円+ユーロ円の推移 現状 115.30+139.95円=255.25円
先週の253.05円から拡大し、ドル円+ユーロ円の売りに妙味あり。少なめの売りでスタートすることを勧める。

*http://kentish.fc2web.com 新外為の森 
*http://kentish.fc2web.com/products.htm チャート参照

★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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