ユーロ正念場→瀬戸際→綱渡り!→乱高下?
先週末発表された米11月雇用統計で、失業率が約2年半ぶりの低水準になったことからリスク選好が高まる中、先のユーロ圏財務相会合で、イタリア、スペインなどへの支援として、IMF経由でECBから最大2000億ユーロ融資が協議されていたとの観測が浮上したこと好感し、一時米ドル売りと円売りが加速、ユーロドルは1.35台半ば近辺まで買い戻される場面があったが、その後、IMFはユーロ危機が悪化すれば、「さらなる財源が必要となる」との声明を受けて、今週のEU首脳会議の債務危機対応策に関する合意に支障が出るとの憶測が先行、一転して、リスク回避姿勢が強まると共に、対ユーロを中心に米ドル買い・円買いが加速するなど、市場は損切りと利食いが相交じり、混迷を極めている。
一方、シュタルクECB理事は改めて、欧州債務問題の解決は最優先事項であるが、その責務は各政府にあり、ECBが重い負担を負うべきではないとの見解を示している。独某紙によれば、米連邦準備理事会(FRB)が債務危機支援策の一環として、ユーロ圏17カ国の中央銀行とともに国際通貨基金(IMF)に資金を拠出する可能性があると伝える中、ユーロ圏の中央銀行は債務危機に直面する国を支援する特別基金に対し、少なくとも1000億ユーロを支出する可能性があるとも報じている。今週ガイトナー米財務長官が欧州を訪問し、ドラギECB総裁、ショイブレ独財務相、バイトマン独連銀総裁との会談が予定されており、また、7日にはサルコジ仏大統領、バロワン仏財務相とも会談する運びとなっており、欧州債務危機問題について協議される見通しであり、市場は緊迫度を増す中、何がしらの打開策が打ち出されるとの観測が強まりつつある。それ故に、現時点ではユーロ売りが更に加速する地合いではないが、1.35台の上値の重さを意識した相場展開が予想される。