各中銀ドル資金供給に結束図る!資金調達難難解消は懐疑的?
欧州債務問題の抜本的な解決策が示されない中、昨日は日米欧加などの6中銀が協調してドル資金供給を拡充する方針を決定、中国人民銀行も預金準備率を5日から現行の1%から0.5%へ引き下げる旨を発表するなど、各中銀は年末越えのドル資金不足に対応する警戒感が日増しに増幅している。欧州債務危機による欧州銀行の信用度低下で短期金融市場でのドル資金調達難が報じられていた矢先だけに、金融機関の資金調達環境が改善されるとの見通しが先行する中、欧米株式市場は軒並み大幅な上昇に転じている。
各国中央銀行は現行のドルスワップ協定の金利引き下げで合意、12月5日から0.5%引き下げを実施、そして、日銀もドル供給オペの期限を2013年2月まで延長するなど、欧州危機対策に向けて、協調体制をより一層強めたことから、為替市場はリスク選好姿勢が強まると共に、一気にドル売りへと様変わりの様相を呈している。
一方、債券市場ではイタリア国債10年物が、一時ユーロ導入後の最高水準7.5%まで上昇後、ドルの供給拡大発表を受けて、7%前後まで急低下しているが、依然として、危機的レベルに位置しており、ドル供給支援策の効果は不透明と言う見解も少なくない。ユーロは対ドルで1.33台前半から1.35台前半まで急上昇したが、欧州債務危機が十分に払しょくされたわけではなく、また、各中銀がドル供給資金を強化したとしても、欧州金融機関の資金調達難が解消されるかは定かではなく、再度資金難が判明すれ、投機筋としてはユーロの過度な上昇局面が格好の投機対象になる可能性がある。ユーロドル1.35台やユーロ円105円台の戻り売り志向は健在と判断するのが無難であろう。