ユーロの劣勢続くも買いづらい3大通貨!戻り売買に特化が賢明?
欧州債務危機を巡って様々な情報が飛び交う中、ドイツ某紙がドイツとフランスを含め、他の4ヵ国のトリプルA格付けの加盟国が高債務国を支援するため共同債(エリート債)を発行する可能性があると伝えられたことを好感し、ユーロドルは一時1.34台を窺う展開になったものの、その後、ラガルドIMF専務理事の「イタリア、スペインから支援の要請は受けていない」との発言などを受け、欧州債務危機問題の期待感が削がれる中、ドイツがエリート債の発行計画は捏造だと改めて否定したことを受けて、ユーロは失速、1.33割れまで下落している。
一方、米国のクリスマス商戦の滑り出しが好調なことを受けて、米NYダウが上げ幅を拡大したことを受けて、ドル円は78円台へと買い進まれているが、欧州危機問題がある限りはリスク回避による円買い志向は根強く、上値は限定的と判断するのが順当であろうが、反面、世界経済の低迷を背景にして、本日発表された本邦雇用統計も3カ月ぶりに悪化するなど、日本経済への影響も視野に入っているだけに、消去法的な円買い志向に脆弱性が生じているため、当面、78円前後の攻防が予想される。
他方、経済協力開発機構(OECD)は最新の経済見通しの中で、ユーロ圏債務危機は世界経済に対する最大の脅威に発展し、ユーロ圏の崩壊は今や排除できなくなっているとの警告を発しているが、同時に、米国の財政赤字削減策が暗礁に乗り上げている現状を踏まえると、ユーロもドルも積極的に買えない構図と化していると言わざるを得ず、安全資産と言われる円に集中する傾向は否めないが、円独歩高の状況が恒常的になっていることや、円売り介入観測を背景にして、円を従来のように積極的に買い進む度合いは後退していることから、総じて、円売りに傾斜しつつあり、下値は限定的と判断するのが無難であろう。