ユーロ戻り売りが自然体!反発買いは1.3400前後まで?
IMFは欧州債務危機悪化に備え、イタリアへ6000億ユーロの融資を準備との一部報道を受けて、NYダウ先物やアジア主要株価指数が上昇し、リスク回避姿勢が後退したことが背景にユーロドルは1.33ドル台半ば近辺、ユーロ円は103円台半ばへそれぞれ上昇したものの、IMF高官がイタリアへの融資報道を否定したことから、ユーロドルは上げ幅を解消しながら、1.33前後で試行錯誤が続いている。
一方、今週はユーロ圏財務相会合、EU財務相会合がそれぞれ明日と明後日に開催される予定となっており、ユーロ圏財務相会合ではギリシャへの第6弾融資実施の合意や、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)のレバレッジに関する具体案をまとめる見通しであるが、EU財務相会合では欧州銀行の資本増強計画も議題になるとみられている中、メルケル独首相が反対姿勢を示しているユーロ共同債に関する議論も注目されている。
ただし、相対的にEFSFやユーロ共同債など欧州債務危機への対応策を巡る議論が難航することが予想されており、着地点を見出すまでに至らないとの見方が大勢を占めており、ユーロの買い戻しは限定的との判断するのが無難であるが、反面、ユーロショートの積み上がりも考慮しなければならず、ある程度の反動買いには注意が必要であろう。
他方、ドル円は76円台では、引き続き当局の介入警戒感が強く、積極的には売り込みづらい状況ではあるが、欧州債務危機拡大懸念を背景にして、流動性の高い安全資産のドル買い志向が強いため、ドル円の下値が限定的の中、ストップロス狙いの買い観測などを背景に、ドル78円台は時間の問題となっている。
いずれにしても、米長期金利が再び2%台を割り込んでいるため、更にドルを積極的に買い進む状況には至っていないが、安全資産の米国債を買う動きが強まる中、欧州金融機関のドル調達金利が上昇過程にある以上、市場全般でドル不足に陥る公算が高く、ドルショートを維持する難しさがあるため、原則的には、相場が大きく動意づいてからの逆張りに特化することが賢明であろう。