頼みの綱はユーロ共同債!ユーロ戻り売り顕在化?
ユーロ圏を巡る債務危機懸念が根強い中、中国経済指標の悪化などが加わり、米国株式市場は大幅続落している。先の独連邦債入札が不調に終わったことから、市場では債務危機の影響がドイツにまで波及するとの思惑が働き、市場はリスク回避姿勢が更に強まっている。その流れを引き継ぎ、日経平均化株価も年初来安値を更新、2009年4月以来の安値水準まで下落するなど緊張感を高めている。
一方、ユーロ債務危機問題に関して、連日のようにEU首脳間での協議が続けられてはいるが、メルケル独首相がユーロ圏共同債の発行や欧州中央銀行(ECB)の役割変更に関し、仏伊の両首脳と会談を行ったが、各国が財政規律を改善する意欲喪失に繋がるとし、あらためて反対姿勢を改めて示したことが重石になり、欧州株式市場は6営業日続落、また、ベルギー国債の利回りが11年ぶりの高水準に達し、ユーロ債離れが加速する中、ユーロ圏の財政危機問題に収束感は皆無に近い状況に陥っている。ユーロドルは1.33割れを窺う展開まで下落、そして、ユーロ円も103円割れへと加速的に下げ足を速めている。
他方、ドイツとフランスはユーロの信頼回復に向けて、数日内に、ユーロ圏諸国の財政規律を強化するための欧州連合(EU)条約改正案を共同提案する旨を発表、改正案は12月9日の首脳会議で議論されるが、最終的にはユーロの創設国であるドイツが、ーロドル存続に向けて、共同債発行に向けて妥協せざるを得ない状況とも言えるだろう。いずれにしても、ユーロ圏を巡っては試行錯誤が続いているが、原則的にはユーロの戻り売りに徹することがリスクの軽減に繋がるだろう。