買えないユーロ・米ドル!買いづらい円?(ペットチャート公開)
23日に合意期限を迎えている米財政赤字削減案について、未だに協議が難航しているとの見方から、一時ドル売りが優先されていたが、市場は先週末のイタリアで緊縮財政法案が可決やモンティ元欧州委員が新首相に指名されたものの、同国の財政健全化期待が削がれた格好となり、週明けはユーロの戻り売りが先行している。
一方、イタリア銀行大手ウニクレディトによるECBへの資金調達支援拡大要請が報じられたことを背景にして、格付け会社フィッチが「欧州債務危機が悪化した場合、米銀の広範な信用見通しが悪化する可能性がある」との見解を指摘したことから、世界経済に対する危機感と共に、欧米株式市場が軟調に推移する中、IMFが欧州債務危機国への救済資金としてECBから融資を受ける案が検討されているとの報道により、ECBによるイタリア・スペイン国債買い入れ観測が高まり、両国の10年債利回りが低下し、ユーロドルは一旦、下げ幅を取り戻していたが、その後、ECBは高債務国救済への関与を拒否する姿勢を示しており、また、ドイツがユーロ圏諸国の秩序あるデフォルトを検討との報道を受けて、市場はユーロの戻り売りに直面している。
他方、財務省が発表した10月貿易統計速報によると、欧州危機、東日本大震災、タイの洪水、そして、円高の影響を受けて、輸出額が3カ月ぶりにマイナスに転じているが、今後も輸出の落ち込みが考えられるだけに、過度な円高期待は後退する可能性がある。そして、円は欧州債務危機と米経済の減速懸念に挟まれ、相対的に、安全資産としてのニーズは高まってはいるものの、反面、ドル円76円割れでは政府日銀の円売り介入に対する警戒感と同時に、大量の実需買いが控えている関係上、円を積極的に買いあげる難しさが浮上しつつあり、日本経済の減速懸念が強まれば、市場関係者はポジション縮小を踏まえながら、円売りに走り易い傾向も否定できないだろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年11月20日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.2100 現状乖離幅0.2158→0.2216(A)100÷104.00=0.9615−(B)1÷1.3515=0.7399⇒0.2216
先週の様子見77.10から若干下落しており、今週は弱い買いシグナル76.95円が点灯している。中期チャートにおいては、買いシグナルが点灯しており、76円前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(77.50円)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 29.00→27.05円
先週の弱めの買いシグナル1.3761から下落に転じており、今週は通常の買いシグナル1.3515が点灯している。中期チャートにおいては、様子見から買いシグナルに移行しており、1.3400前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.3750〜1.3850)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 −2.25→±0円
先週の様子見1.0292から下落に転じており、今週も弱めの買いシグナル1.0000が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルから様子見レベルまで下落しており、0.9850〜1.0300のレンジ相場を形成している。★様子見
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.00円 現状乖離幅 16.50→18.75円
先週の弱めの買いシグナル0.7860から下げ足を速めており、今週は通常の買いシグナル0.7563が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルから弱めの買いシグナルに移行しており、0.7500割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.7800〜0.7900)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 1.00→2.05円
先週の様子見1.0131から若干上昇しており、今週は弱めの売りシグナル1.0274が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルからポジション解消買いを伴い様子見が点灯しており、1.000〜1.0400のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(1.0100〜1.0150)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 46.85→44.60円
先週の弱めの売りシグナル1.6077から下落に転じており、今週はポジション買いに伴い、様子見1.5791が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの売りシグナルが点灯から弱めの買いシグナルに移行しており、1.5500〜1.6000のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −13.00円 現状乖離幅 −8.55→−6.95円
先週の売りシグナル0.9002から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル0.9172が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.92台からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8700〜0.8800)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 18.75→18.75円
先週の乖離幅から変化はなく、今週は短期&中期チャートで豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月平均は181.95円、11月第1週は185.95円、第2週は183.20円、そして、今週はユーロ円104.00+ドル円76.95=180.95円と円高に傾斜している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 17.85→17.55円
先週の買いシグナル0.8560から変化はなく、今週も引き続き買いシグナル0.8556が点灯している。中期チャートにおいては弱めの買いシグナルが点灯しており、0.8500割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8650〜0.8750)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 13.00円 現状乖離幅 19.50→20.10円
先週の弱めの売りシグナル1.2388から変化はなく、今週も引続き、弱めの売りシグナル1.2396が点灯している。中期チャートおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.25前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.2250~1.2350)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 28.00円 現状乖離幅 38.30→38.30円
先週の強めの売りシグナル1.4472から変化はなく、今週も強めの売りシグナル1.4487が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.45台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3800〜1.4000)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的
な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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