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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

豪ドル=ドル円相場拮抗!ドル円ショート⇔豪ドル円ロングに妙味?


欧州債務危機を巡って各市場では混迷を極めている。イタリア国債に続き、スペイン国債10年物利回りが危険水域7%へ窮迫するなど、リスク回避目的で欧州債券離れが進行する中、ユーロの買い戻しは限定的になっている。
一方、スペインにおいても、ギリシャ、イタリアの首相交代に次いで、政権交代と共に首相交代が確実視されており、スペイン国債7%越えは時間の問題と化している。市場の関心は財政危機に直面しているギリシャからイタリア、そして、スペインへと目まぐるしく変遷しているが、フランス国債とドイツ債利回り格差が2%台に達しており、益々リスク回避志向が強まっている。いずれにしても、財政危機問題が共通のテーマである以上、為替相場は、債券相場の動向に左右されざるを得ない。
他方、米国債10年物利回りが欧州危機を背景に、再び2%割れへと低下、リスク回避型の相場展開になっているが、同時に、商品相場においてはリスク回避による上昇局面において、原油価格が1バレル100ドル台に乗せると世界経済の重石になる関係上、相対的にドルを買い戻しが強まる傾向がある。それ故に、ドルの強弱を判断する目安として、米国債が2%以上並びに原油価格100ドル以上になると、相対的に安全資産と称される米ドルや円の底堅さが強調される可能性が高く、今後の売買シナリオとしては、欧州債のみならず、米国債や商品相場の動向にも注視する必要があるだろう。

その他では、豪ドルが対ドルで1.000割れの展開となり、豪ドル円がドル円相場と拮抗している。ドル円と同様に76円半ば前後から押し目買いに妙味が生じている。さもなければ、ドル円ショート、豪ドル円ロング志向で臨むことも一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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