ドル円再膠着!ユーロドル上値の重さ再認識?(ペットチャート公開)
イタリアとギリシャで新政権が発足した直後であるが、昨日注目されたイタリアの5年国債入札で落札利回りが6.29%とユーロ導入以来の高水準を記録、また、前回の入札5.32%と比しても、イタリア財政危機を巡る信用不安がマーケットを席巻しており、ユーロドルは一時1.36割れへと弱含んでいる。また、EU連合は、新たに発足したギリシャの連立政権に対し、同国が12月半ばまでに必要とされる80億ユーロの融資を実施しないと警告しており、また、パパデモス・ギリシャ新首相はギリシャがユーロ圏に残る以外に選択肢はないとして、改革案を受け入れるよう求めているにもかかわらず、昨日、ギリシャ新民主主義党のサマラス党首は更なる緊縮財政措置の受け入れを拒否する考えを示唆したことから、再び、ギリシャのデフォルト懸念が蒸し返されており、ギリシャの連立政権の足並みの乱れが垣間見られているが、依然として、ユーロ圏債務危機をめぐる懸念が一向に緩和されておらず、相対的にユーロの調整売りが優先されている。
一方、バーナンキFRB議長は先に、米経済成長のペースは欧州債務危機の影響を受けて「いら立つほど鈍くなる公算が大きい」と指摘しており、次回のFOMCにおいて、追加金融緩和は濃厚との見方が先行しており、依然として、米国サイドのドル安志向は健在と見る向きが少なくなく、リスク回避によるドル買い需要にも限界が生じている。
他方、円相場は前回10月31日の介入以来、一時77円割れへと円高警戒感が増幅しているが、政府日銀の介入観測は根強く、再び、77円台前半で膠着度を増している。
当面、76.50〜77.50のレンジ幅で売買を模索するしか妙味はないだろう。