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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円77円台半ばではシブトイ展開!戦略的なシナリオ作りが重要?

リア債利回りの上昇が一服する中、ドル円は78円割れ、そして、上値の重いユーロドルは1.38台半ば近辺まで上昇するなど、米景気減速懸念も手伝い、市場は再びドル売りへと傾斜している。しかしながら、首相交代劇でイタリア財政が改善される保証はなく、依然として、ユーロドルの戻り売りが優先される相場展開を強いられており、ユーロドルの上昇は一過性になる可能性が高いだろう。

一方、ドル円相場は、77円台半ば割れや77円割れでは政府・日銀の円売り介入観測が煮詰まる可能性が高く、投機筋としては、更に円買いを強行できない側面がある。それ故に、シナリオ的にはドル円77円台からのショートを自重すると共に、ドル円77円台半ば割れではロングに移行し、当局の押し上げ介入に期待することも一考であろう。
ただし、シカゴIMM通貨先物取引においては、円ロングの持ち高が5万4千枚から半減しており、再び円買い余地を残している。そして、前回の日銀介入が7兆円を超える大規模介入なだけに、次回は小規模にとどまる公算も踏まえると、ドル円の反発余地は限定されるため、当面、79円前後では戻り売りを視野に入れて対処することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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