ユーロ上値の重さ再認識?(PDF)ペットでも判る簡単チャート)
欧州債務問題への懸念が高まる中、ギリシャ政府が挙国一致内閣の協議が進展していること明らかになり、市場には一服感が生じているものの、イタリア国債利回りが最高水準を更新、そして、ドイツ債利回りとの拡大が続くなど、一向に鎮静化の兆しは見られていない。
一方、ユーロ圏財務相会合のユンケル議長は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の成功は外部資金に左右されないとの見解を明らかにする中、同議長はEFSFのレバレッジに関しては第三国の支援なしでも運営可能だと述べている。また、シュタルクECB理事が2年以内に債務危機は沈静化するとの見解が伝わったことが好感され、NYダウと共にユーロが買い戻される展開にはなっている。しかしながら、ユーロドル1.38台ではポジション調整売りが優先される展開となり、積極的にユーロを買い戻す動きには至っていない。
他方、ユーロ債務危機が拡大する中、シュタルクECB専務理事の見解には何の裏付けもなく、既に市場ではユーロ債務危機の収束には10年程要するとの懐疑的な見解も少なくなく、依然として、ユーロ危機回避に向けての試行錯誤が続いている段階ではあるが、今後も好悪材料が混在する中、市場のコンセンサスはユーロの戻り売りに集約せざるを得ないだろう。