リスク回避志向強まる!ギリシャ債務危機・米金融緩和VS日銀介入でドル円78円前後で身動きとれず?
先週の欧州首脳会議で包括対策が合意されているにもかかわらず、昨日はギリシャ首相が緊縮財政を下にEU連合からの支援策を受け入れるか否かについて、国民投票を実施するとの報道が嫌気され、ユーロドル売りが加速。その後、ギリシャ国民が包括案(緊縮財政)に反発することは必至であり、また、国民の6割が公務員職で占めている関係上、「国民投票は恐らく無いだろう」との報道が伝わったことから、ユーロは下げ幅を解消しているものの、市場関係者からはギリシャは国際公約に相反する行為であり、ユンケル・ユーログループ議長もギリシャが今回の支援に関して国民投票を実施する意向を示しているが、もし、否決ならデフォルトの可能性は排除しないと述べるなど、ギリシャのユーロ離脱とデフォルト懸念が再燃するなど、市場はギリシャ関連問題に振り回されている間、ユーロの乱高下は避けられない状況にある。
一方、株式市場への影響も大きく、欧州株式市場ではユーロ圏首脳会議前の水順まで反落しており、同時に、NYダウも欧州債に積極投資していたMFグローバル・ホールディングスの破たんの影響を受けて、300ドル近く下落するなど、市場は再びリスク回避志向を強めており、米10年債利回りは再び2%割れへと安全資産への回帰が鮮明になっている。
他方、ドル円は根強い介入警戒感を背景に底堅い状況にあるが、リスク回避による円買い志向がある以上、上値の重さも否定できない状況であるが、本日はFOMC政策金利が控えており、株価対策を含めて追加緩和策が打ち出される可能性があるため、ドル売り優勢の展開も予想されるだけに、当面、過度なユーロドルショート並びにドル円ロングは自重することが賢明であろう。