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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

問われる介入効果!77〜79円のレンジ相場形成中?

昨日の突発的な政府・日銀の円売り介入がマーケットを震撼させている中、ドル円は一時狼狽的な円売りを誘発し、79円台半ば近辺まで上昇したものの、過度な円売りに対する抵抗感も根強く、同時に、利益確定売りや実需売りに圧される恰好で78円前後まで下げ足を速めている。
一方、ユーロドルは、EU連合が、先週末の包括的な対策で合意に達したものの、救済基金の積み増しを余儀なくされるとの懸念が台頭する中、ユーロドルは利益確定売りを伴いながら、終始軟調気配であったが、昨日、ギリシャ首相が「新たなギリシャへの融資計画について国民投票を行うべき」と発言し、今後の対ギリシャ支援に不透明感が強まったことから、ユーロ売りが加速し、ユーロドルは1.400台から1.38ドル台半ば割れまで下落、その中、ドル円も欧州債務懸念を背景にして、再び円買い圧力に圧される恰好で、上値の重さが再認識させられている。
ただし、市場は今回の政府・日銀の本格的な介入実施により、改めて警戒感を強めているため、当面、下値は限定的と判断するのが無難であるが、当局の介入経緯を踏まえると、当局がドル円75円台後半から78円前後まで断続的に実施した可能性が高く、今後、一段の円買い圧力が増したとしても、円高阻止には、少なくとも77円前後では再介入する可能性が高いだろう。反面、米景気減速懸念や欧州債務危機を背景にして、国際協調を得られていない単独介入なだけに、ドル円の買い戻しにも限界が生じており、当面、77〜79円のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。
他方、介入が実施された以上、市場自体が心理相場と化しているため、単なるチャート分析やファンダメンタルズ分析に依存することなく、ストップロスの配置に注視した上で、冷静に対処することが求められるが、政府日銀の再介入に備えるため、ドル円ロングを軸として、リスクの軽減を図ることが賢明であろう。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年10月30日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.200 現状乖離幅0.2253→0.2255(A)100÷107.30=0.9319−(B)1÷1.4156=0.7064=0.2255先週の買いシグナル76.15円から若干下落しており、今週も引き続き通常の買いシグナル75.80円が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、75円前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(77.00〜78.00)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 29.70→31.50円
先週の売りシグナル1.3900から上昇を速めており、今週は強めの売りシグナル1.4156が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.42前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3700〜1.3800)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 −2.70→−5.35円
先週の売りシグナル1.0355から上昇を速めており、今週は強い売りシグナル1.0706が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0100〜1.0200)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.00円 現状乖離幅 15.05→13.40円
先週の弱めの売りシグナル0.8024から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル0.8232が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、0.82台半ば以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7850〜0.7950)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 0.70→−0.60円
先週の買いシグナル1.0093から下落に転じており、今週は強めの買いシグナル0.9921が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.9900割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0200〜1.0300)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 46.00円 現状乖離幅 45.35→46.45円
先週の売りシグナル1.5955から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル1.6128が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの売りシグナルが点灯しており、1.62前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5700〜1.5800)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −19.00円 現状乖離幅 −10.20→−12.15円
先週の様子見0.8819から下げ足を速めているが、今週は弱めの買いシグナル0.8619が点灯している。中期チャートにおいても様子見から買いシグナルに移行しており、り、0.85前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8750〜0.8800)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 16.00円 現状乖離幅 17.75→18.75円
先週の乖離幅から拡大しており、今週も引き続き短期チャートでは豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯しているが、中期チャートでは豪ドル買い・NZドル売りが点灯しており、15~20円のレンジ相場を形成している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70
→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月第1週は180.45円、第2週は179.60円、第3週は184.50、第4週は182.00円、そして、今週はユーロ円107.30+ドル円75.80=183.10円と円高圏内を持続している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 15.65→15.50円
先週の弱い買いシグナル0.8712から若干上昇しており、ポジション解消売りに伴い、今週は弱めの売りシグナル0.8777が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.8500~0.8900のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(0.8700)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 11.00円 現状乖離幅 19.50→19.35円
先週の強めの売りシグナル1.2258から若干下落に転じているが、今週も引続き、強めの売りシグナル1.2200が点灯している。中期チャートおいては売りシグナルが点灯しており、1.23台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.1500~1.1600)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 27.00円  現状乖離幅 35.15→34.30円
先週の強めの売りシグナル1.4071から若干下落しており、今週は通常の売りシグナル1.3900が点灯している。中期チャートおいてはほぼ様子見が点灯しており、1.40台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3300〜1.3400)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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