ドル円75円トライは時期尚早!ユーロ調整売り優先?
欧州債務問題に対する懐疑的な懸念や米国の追加金融緩和観測を背景にして、円の先高観が根強い中、週明けのオセアニア市場でドル円が瞬間風速の形で75.30~40円台まで売りこまれる場面が生じたものの、75円台半ば割れでは大量の買いオーダーが控えていると共に、政府・日銀の円売り介入期待を背景に、投機筋の仕掛けも徒労に終っている。しかしながら、市場慣例としては、当面、75円割れのストップロス狙いが焦点となり、遅かれ早かれ75円割れは実現する可能性は高まりつつある。反面、円売り介入に対する反動買いに備える必要性があり、積極的に円を買える相場環境ではなく、ドル円75−76円のレンジ相場の中で売買を模索せざるを得ないだろう。
一方、ユーロは欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を約1兆ユーロに拡大することなどで首脳会議の基本合意を取り付け、急ピッチの回復を見せてはいるが、先週末のイタリア10年債入札で落札利回りがユーロ導入以来最高となったことが重石となり、また、中国に資金要請を求める中、相対的に資金の調達方法が不透明なほか、ギリシャの財政再建計画に対する疑念も根強いことから、ユーロはレベル的には利益確定売りやポジション調整売りが優先されやすい状況にある。
他方、市場は、一応、欧州債務問題で包括対策が合意された事で重苦しい雰囲気は解消されているが、欧州支援計画に対する懐疑的な見方がある以上、過度なドル安・円高期待は禁物であろうが、今週は、G20首脳会談、FOMC、米雇用統計などの重要イベントが控えており、積極的にポジションを取りづらい状況にあるため、相場が動意づいてからのナンピン売買で臨むことが得策であろう。