EU連合背水の陣!ユーロ戻り売り優先?
ユーロ首脳会談の全貌は明らかにされてはいないものの、序盤はギギリシャ債保有者の損失を巡り、銀行団と欧州連合(EU)の協議が行われているが、60%カットを主張しているEUと欧州金融機関が主張している40%カットの調整が難航しているとの報道が嫌気され、ユーロドルは1.39台から1.38割れまで下落、その後、ユーロ首脳会談の声明草案が概ね合意されるとの見通しや、中国がユーロ緊急援助基金に投資する可能性があるとの一部報道を受けて、再び、ユーロの買い戻す動きが早まり、ユーロドルは下げ幅を解消する形で1.3900台まで回復するなど、ユーロは期待感と不安感が渦巻く中、困惑気味に上下動を繰り返している。
一方、ユーロ危機が背水の陣の中、現状では銀行の資本増強や欧州金融安定基金(EFSF)の活用により、ユーロの信認性を高める事が求められているが、まずはギリシャ債務問題に決定的な打開策が講じられない限りは、ユーロを積極的に買い上げる雰囲気ではなく、引き続き、1.3800~1.4000のレンジ幅の中で、戻り売りに傾斜することがリスクの軽減に繋がるであろう。
他方、ドル円は連日史上最安値を更新する中、再度76円台を回復しているが、本日の日銀金融政策決定会合で追加緩和策や政府・日銀の介入操作が意識されており、下値は堅調と判断するのが無難であるが、追加緩和策に関しては、債券購入規模の拡大など限られた手法であることから、市場への影響は限定的と判断するのが妥当であろう。それ故に、市場はユーロ債務危機と米経済の不透明さに挟まれ身動きが取れない相場環境に陥っており、引き続き75.50~76.50のレンジ幅を重視し、同レベルにストップロスを配置して、20~30bptsでの利食いで満足するしかないだろう。