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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

EU首脳会談待ちも視界不良!ユーロ乱高下?

明日のEU首脳会談を控えて、市場には何らかの有効的な解決策が打ち出されるとの憶測が先行しており、ユーロドルやポンドは9月8日以来の高値水準へと上昇しているが、反面、独仏の意見の対立は妥協局面にあるとは言え、EU首脳会合が一枚岩とは言えない状況下では、懐疑的な見方も見え隠れしているため、ユーロドルは売り買いが拮抗する中、段階的な上昇にとどまっている。

一方、EUは明日の首脳会談に向け、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のレバレッジ活用において、ソブリン債のデフォルト時の損失に対し一定の保証を付与する共に、特別目的投資機関(SPIV)を設立し、債券を発行し内外の投資家から資金調達するなどの2案を併用する見方が有力視されているが、既に、市場の一部では具体的な手法が論じられていない現状では、ユーロ債務危機の抜本的な打開策としては不十分との声が少なくない。その中、昨日は独政府筋から、EFSFの規模が1.4兆ユーロになるとの一部報道、そしてNYダウが堅調に推移する中、金及び原油価格などの商品先物相場の上げ幅拡大などを背景に、リスク選好姿勢が強まり、米ドルは対主要通貨で弱含む中、ユーロショートの積み上がりなどが背景に、ユーロドルを買い戻す動きが強まっている。総じて、EU首脳会談へ期待感が高まると共に、1.4000を意識せざるを得ない相場環境になりつつあるが、過度な上昇期待は禁物であり、1.4000前後からの戻り売りに徹することがリスクの軽減に繋がるであろう。

他方、ドル円は76円前後の攻防が続く中、瞬間的に再度76円割れにはなっているものの、市場の介入警戒感は根強く、相対的に妙味に乏しい展開を強いられている。

補足的になるが、日本政府・日銀としては、ドル円75円割れを阻止する使命感が問われており、少なくとも75円台半ば前後では円売り介入が実施される公算が高いと判断するのが妥当であろう。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年10月23日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.200 
現状乖離幅0.2257→0.2093(A)100÷105.85=0.9447−(B)1÷1.3900=0.7194=0.2253
先週の弱めの買いシグナル77.25円から下落に転じており、今週は通常の買いシグナル76.15円が点灯している。中期チャートにおいても、通常の買いシグナルが点灯しており、76円前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(77.50〜78.00)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 30.00→29.70円
先週の売りシグナル1.3883からは若干上昇しているが、引き続き今週も売りシグナル1.3900が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.39台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3600〜1.3700)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 −2.30→−2.70円
先週の売りシグナル1.0330から若干上昇しているが、今週は強めの売りシグナル1.0355が点灯している。中期チャートにおいては通常の売りシグナルが点灯しており、1.04前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(09950〜1.0050)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 15.00円 現状乖離幅 17.25→15.05円
先週の弱めの売りシグナル0.8052から若干下落しているが、今週は通常の売りシグナル0.8024が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、0.81台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7900〜0.7950)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 0.80→0.70円
先週の様子見1.0105から若干下落しており、今週は買いシグナル1.0093が点灯している。中期チャートにおいては弱い買いシグナルが点灯しており、1.0000割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.0200~1.0300)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 42.10→45.35円
先週の売りシグナル1.5812から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル1.5955が点灯している。中期チャートにおいては、ポジション解消売りに伴い様子見が点灯しており、1.600台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.5550~1.5650)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −18.00円 現状乖離幅 −9.30→−10.20円
先週の弱めの売りシグナル0.8925から下落に転じており、今週はポジション解消買いを伴い様子見0.8819が点灯している。中期チャートにおいても様子見に転じており、0.8600~0.9000のレンジ相場を形成している。★様子見

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 17.60→17.75円
先週と乖離幅には変化は見られず、今週も短期チャートでは豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯しているが、中期チャートでは逆に豪ドル買い・NZドル売りが点灯しており、15~20円のレンジ相場を形成している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月第1週は180.45円、第2週は179.60円、第3週は184.50、そして、今週はユーロ円105.85+ドル円76.15=182.00円と再び円高圏内に突入している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 14.90→15.65円
先週の様子見0.8780から下落に転じているものの、今週は弱い買いシグナル0.8712が点灯している。中期チャートにおいては、売りシグナルが点灯しており、0.8400~0.8900のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8750)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 12.00円 現状乖離幅 20.70→19.50円
先週の強めの売りシグナル1.2392から下落に転じており、今週は通常の売りシグナル1.2258が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.24前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.1800~1.1900)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 27.00円  現状乖離幅 35.60→35.15円
先週の強めの売りシグナル1.4113から若干下落しているが、今週も引き続き強めの売りシグナル1.4071が点灯している。中期チャートおいては様子見が点灯しており、1.42前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3350〜1.3450)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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