ドル円戦後最安値更新!あく抜け感と介入期待から下値限定?
ドル円が一時75.78と戦後最安値を更新する中、下値では介入警戒感を背景に76円台を回復している。相場的には依然として、ユーロ圏を巡る債務危機を案じた格好で円買いが進行しているが、更に、ドル円を売り込む迫力は見せておらず、狭いレンジ相場を形成している。
一方、欧州連合(EU)は23日の首脳会議で欧州銀行の大幅な資本強化で大筋1,000~1,100億ユーロで合意に達し、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充とギリシャ支援の強化に向けて、来る26日の首脳会議で包括的な最終合意を取り付けると報じられており、ユーロが買い戻されているが、未だに、資金繰りに窮している欧州金融機関への信用不安は未だに払しょくされておらず、市場のコンセンサスは欧州側から現実味かつ信憑性のある解決策を示さない限りは、ユーロの戻り売り志向が強まる傾向は否めないだろう。また、EU、IMF、ECBのトロイカ調査団がギリシャ債務に関して、50%のヘアカットを適用すれば、財政赤字を2020年末までに対GDP比120%への引き下げを可能としているが、ギリシャの負債は2030年まで高水準が続き、一層の民間関与が不可避との見解を示すなど、ギリシャ問題を発端としたユーロ危機がこれまでも幾度となくぶり返している状況であり、ユーロドルの乱高下は避けられない状況である。
他方、NYダウ平均が約2カ月ぶりの高値圏まで回復している。欧州連合(EU)首脳会にて欧州債務問題に対して、何らかの対応策が打ち出されるとの期待感が株価の上昇繋がっているものの、為替相場と株価との相関関係には脆弱性があるが、ドル円75円を死守する意味合いでも、政府・日銀による介入警戒感が高まっており、過度な円高待は自重することが賢明であろう。