EU首脳会議に期待感と失望感が混在中!ユーロの失望売りも一考?
先の独仏首脳会談での2兆ユーロ規模の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡大策に期待が高まっていたが、一部、EU当局筋や他国などからEFSFの拡大はあるものの、2兆ユーロ規模の拡大は困難との発言が相次いでいる。ユーロドルは一時、期待感から1.38台半ばまで上昇したものの、拡充案に懐疑的な見方が先行する形で、ポジション整理が進行すると共に、上げ幅を解消している。
一方、ギリシャ債務不履行問題が現実味を帯びる中、ユーロ圏ではイタリア・スペイン・ポルトガルなどの国債格下げに続き、中核国のフランスまで格下げ問題が波及するなど、相対的に欧州のソブリンリスクが一層高まる中、重債務国中心に債券利回りが再び上昇過程にあり、欧州債券離れが深刻化しつつある。また、ギリシャ債券を大量に抱えている金融機関が、含み損の減少と共に資本強化による欧州債券売りが加速していることも債券利回りの上昇に繋がっている。一部では、欧州金融システムが危ぶまれるとの声も少なくなく、本日も独仏首脳を始めとして、トリシェECB総裁、ドラギECB次期総裁、ラガルドIMF専務理事などを交えた会談が行われる予定であるが、週末のEU首脳会談に向けて、何らかの具体策が出ない限り、再度ユーロの失望売りも一考しなければならないだろう。
他方、欧州中央銀行(ECB)はが十分な国債購入力を確保するには、EFSFの拡大が不可避と言われているが、仮に、EU首脳会議で2兆円ユーロ規模の拡大が承認されれば、当面、欧州債務危機が回避されるとの見方が有力視されている。
しかしながら、市場ではEFSFの拡大はあるものの、1兆ユーロ程度に終わる可能性を指摘しており、独仏が合意した拡大策が頓挫する可能性が浮上しており、ユーロの戻り売りで対応することが賢明であろう。