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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

余裕・忍耐・判断+ペットチャート快進撃!

見事にペットチャートの乖離幅が完璧にワークしている。相場の歪みが是正された円高となったが、次回の歪みが現れるのも遠くはない予感がする。相場に負けない3大要素は余裕・忍耐・判断である。そして、もう一つ加えればペットでも考えられる単純発想でうすかね。
▲12月の米雇用統計で非農業部門就業者数の増加幅が市場予測を下回り、米ドルロングの修正局面として考えるには時期尚早ではあるが、確実に、米利上げ早期打ち止め観測が一段と強まったことによる反動として捉えるべきであろう。いずれにしても、行過ぎた円安局面の終焉と言うことになるが、今後は金利格差を鵜呑みにしてきた個人投資家や投機筋のキャリートレードにも大きな変化が生じることは間違いなく、更に今後の米経済指標も改善見込みが期待できないだけに米ドルの下値リスクの高まりを感じさせる状況である。
●年初から4円強の円高局面を向かえ、波乱含みのスタートとは言えるが、昨年度末からの中国当局の外貨準備高の牽制などもあり、また、だぶついたオイルマネーも含めて、資金運用の分散化を目論む図式は否定できず、また米金利の長短逆イールドは対米債権投資に対する分岐点でもあり、今後の対米投資にも限界が生じる見方も増えている。
●一方では金利打ち止め感により、株式市場も一時的には活況は呈しているが、双子の赤字に改善策が見られない状況下では、本格的な米ドル離れが懸念される要素も充分にあり、それを死守しなければならない政治色の濃い相場とも言える。 穿った考えであるが、中国人民元の切り上げも含めて、日本経済の景気浮揚が順調に滑り出し、そしてデフレ脱却が目前となれば、かねてからの日米間の円安容認とも思われる行動が不必要になる。そうとなれば、再度110円割れの円高局面でさえ遠からずといえる。ブッシュ政権が唱える強い米ドル(強いアメリカ)を支えるためにも貿易不均衡の話題が再燃することは必死であろう。

●先週末にドル円115円の壁も息つく暇もなく突破した状況だけに、かなりのストップロスとオプショントリガーを巻き込んだ展開を想定するとなれば、週明けは特に要注意といえる段階であり、本来ならば114円台の前半には利益確定と共に値ごろ感からの買い意欲も旺盛になるのは必死ではあるが、上値の重い展開は避けられず、115円に向けての買い基調と損失確定のポジション調整売りが交錯する局面が見られると思われる。そして、先週の米雇用統計の数字が本格的な米ドル離れの予兆となるかを見極める週でもあり、週後半の貿易収支及び財政収支に関心は高まる相場であるが、特に貿易収支に関しては恒常的な悪化が見込まれているだけに、更に米ドルを押し下げる要因にはなることを考慮すると、米ドルの上値の限界を感じながらの取引になるであろう。史上最大の貿易赤字に対する削減策も思案されているとは聞くが、一向に改善努力が見られず、FFレートの利上げ観測後退と共に、相対的にも米ドル売りに矛先が向けられる週である。
********今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
* ペットチャートでは円高基調がリーズナブルなレベルに達しつつあり、ポジションの見直し時期が近づいている。 行過ぎた円安から修正局面でもあり、NZドル以外にはほとんどの通貨に様子見が生じている。
▲ドル円 
元旦に推奨した117.85円からの急落もありながら、現状レベルの114.45円でも弱い売りシグナルは点滅しているが、基本的には買いゾーン接近しており、ポジションの縮小による利益確定の買い戻しも検討したい段階である。今後のチャート上では112円台半ばまでの下落も予測されるが、ユーロドルとの兼ね合いもあり、理想的には113円台半ばの買いでポジションをクローズすることを勧める。但し、トレンドの変化を続行するのならば110円台まで見ることは可能であるが、時間を要することになる。
▲ユーロドル
先週の1.1876には買いシグナルが点灯後に、急上昇し、1.2150前後の売りシグナル(ポジション解消)が発生しているため、利益確定段階である。 そして、現段階では様子見に突入しているため、次の展開を待ちたい。
▲豪ドル・NZドル
豪ドルは先週の買い0.7339から0.7540では売りシグナルでポジション解消となる。
NZドルは引き続き0.6911から買い継続中
▲カナダドル
依然として様子見が続く。
▲ポンド
先週は1.7225の買いを推奨したが、すでにポジション解消の売りレベル1.7702に到達している。現在では様子見に移行している。
▲スイスフラン 
1.3138の売り推奨後、1.2702で買いレベルに突入、様子見に転じる。
▲豪ドル円/NZドル円裁定取引(乖離幅が基準6.50円)
4.65円→4.25円→5.75円→6.20円→6.45円→7.20まで拡大中。 豪ドル円売り・NZ円買いを模索中(第一ステップ開始)
▲単純加算方式 ドル円+ユーロ円の推移
昨年度の円安でドル円120.65+ユーロ円142.50=263.15円まで拡大したが、今回の円高で一気に縮小。先週は114.45+139.05=253.75円と円高基調はあるが、基本的には高い水準でもあり、255円以上であれば、円買いにも妙味あるレベルである。

* http://kentish.fc2web.com 新外為の森 
* http://kentish.fc2web.com/products.htm チャート参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。尚、このレポートは情報提供を目的に配信しています。情報の正確性には万全を期していますが、最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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