EFSF拡充案承認!ユーロ買い材料に出尽くし感?
為替市場は相変わらず、ソブリンリスクを巡りユーロ一色の展開となっているが、昨日、スロバキアでは欧州の救済基金の拡充案を議会が2回目の採決で可決、同案が批准されたことにより、ユーロ加盟国全てで承認手続きが完了し、市場にはリスク回避志向が一服する中、ユーロは下げ止まりの様相をみせている。今回の欧州金融安定化基金(EFSF)が従来の2,500億ユーロから4,400億ユーロに拡充されることにはなるが、 反面、ユーロ圏で中核をなすイタリア・スペインなどの重債務国の国債利回りが高止まりしている状況下ではユーロを更に押し上げるには力不足と言わざるを得ないだろう。
一方、バローゾ欧州委員長とファンロンパイ欧州大統領は、スロバキアの承認でEFSFは完璧に実行可能、EFSFはより一層強く、柔軟な手段となると指摘しているが、ギリシャの不良債権を抱えている欧州金融機関を取り巻く環境は一段と悪化しているとの観測があり、市場は今回の欧州金融安定化基金(EFSF)拡充案では不十分との見方も少なくない。また、EFSFの拡充案を巡り、如何に活用できるかにかかっており、まだまだ予断を許せない状況にある。その中、昨日発表されたECB月報ではユーロ圏経済は高い不確実性の中、下向きの勢いが強まっていると慎重な景気見通しを示したことから、一時ユーロドル、ユーロ円はそれぞれ戻り売りが優勢になっているように、現時点では上昇リスクよりは下落リスクを重視する方がリスクは軽減されるだろう。