不可解なユーロ上昇局面!戻り売りに専念?
欧州のソブリンリスクが深刻化しているとの見方が強まる中、先週末は米9月雇用統計における非農業部門雇用者数が10.3万人増となり、前回、前々回分も上方修正されたことを受けて、相対的にリスク改善によるドル売り、円売りへと先行していたが、格付け会社がイタリア国債とスペイン国債の長期信用格付けを引き下げたことが伝わると、一転してリスク回避の動きが強まり、ドル買いと円買いへ傾斜。ユーロドルは1.35ドル台前半から1.33ドル割れまで降下、また、仏・ベルギー系金融機関であるデクシアの金融破綻が報じられるなど、ユーロを中心にドル買い、円買いが優勢ではあったが、その後、独仏首脳が銀行支援策の策定を公約し、ギリシャをユーロ圏内に維持する姿勢をあらためて示唆したことから、ユーロが対ドルで1.33台から1.37台まで迫る展開となり、市場は損失確定売買を伴いながら、ユーロの急反発に、市場心理が二転三転と翻弄されている。
一方、ギリシャの不良債権の約90%を欧州金融機関が抱える中、7月の欧州ストレステストにおいては、欧州金融機関8行の不良債権が取り上げられたが、その中に、今回のデクシアは含まれておらず、市場では他の金融機関も含み損の隠滅を図っているとの憶測が先行するなど、ギリシャのデフォルト絡みの破たん連鎖が危惧されている。また、市場のユ−ロのショートポジションが積み上がっている関係上、好材料には反応し易い状況とは言えるが、不安定極まりないユーロ上昇局面と言えるだろう。
他方、現段階では(欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)の枠内で、不良債権処理が合意的に実施される見込みであるが、独仏が承認するにしても、欧州債務問題の紆余曲折は否めず、一時しのぎの延命策との見方が少なくなく、引き続き、ユーロの戻り売りに専念した方が相対的にリスクは限定されるだろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年10月09日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.200 現状乖離幅0.2213→0.2257
(A)100÷102.80=0.9728−(B)1÷1.3385=0.7471=0.2257
先週の弱めの売りシグナル77.15から若干下落しており、今週はポジション解消買いを伴い、弱めの買いシグナル76.80円が点灯している。中期チャートにおいても、弱めの買いシグナルが点灯しており、76円前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(77.50〜78.00)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 26.15→26.00円
先週の弱めの買いシグナル1.3390から、中間では1.35前後でポジション解消売りを伴うものの、今週も再び弱めの買いシグナル1.3385が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、1.33割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3500〜1.3550)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 2.80→1.80円
先週の弱めの買いシグナル0.9663から上昇に転じており、今週はポジション解消売りを伴い、様子見0.9766が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの買いシグナルが点灯しており、0.9500~1.0000のレンジ相場を形成している。★様子見
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 15.00円 現状乖離幅 18.45→17.55円
先週の弱めの買いシグナル0.7609から若干上昇に転じており、今週は様子見レベルの弱い買いシグナル0.7715が点灯している。中期チャートにおいては、逆に売りシグナルが点灯しており、0.7500~0.8000のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(0.7750〜0.7800)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 3.65→2.85円
先週の売りシグナル1.0497から下落に転じており、今週も弱めの売りシグナル1.0385が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.0500以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.0300〜1.0350)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 43.05→42.70円
先週の弱い売りシグナルから若干下落しており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見1.5560が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、買いシグナルが点灯しており、1.5300~1.5800のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −18.00円 現状乖離幅 −7.90→−6.00円
先週の弱めの売りシグナル0.9071から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル0.9275が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.93台からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8950〜0.9050)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 15.85→15.75円
先週と乖離幅には変化は見られず、短期チャートでは様子見が点灯しているが、中期チャートでは強めの豪ドル買い・NZドル売りが点灯している。
過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月第1週は180.45円。そして、今週はユーロ円102.80+ドル円76.80=179.60円と180円割れに突入しており、益々、円高に対する警戒感が強まっている。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 16.90→16.20円
先週の買いシグナル0.8594から変化はなく、今週も引き続き通常の買いシグナル
0.8603が点灯している。中期チャートにおいては、逆に弱めの売りシグナルが点灯しており、0.84割れからの押し目買いと共に、0.8700前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8750〜0.8800)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 12.00円 現状乖離幅 18.25→20.00円
先週の弱めの売りシグナル1.2146から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.2415が点灯している。中期チャートおいても様子見から売りシグナルに転じており、1.25前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.2100~1.2200)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 27.00円 現状乖離幅 35.15→36.70円
先週の弱めの売りシグナル1.4133から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.4432が点灯している。中期チャートおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、1.45前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.3800〜1.3900)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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