ユーロ不安定な上昇局面!1.35前後からの返り討ちに注意?
ECB理事会では利下げ観測が浮上する中、予想通り政策金利を据え置くことを決定、債務危機の深刻化を受けて、欧州銀行の資金調達を支援する形で1年物資金供給オペやカバード債購入資産購入プログラムなどの長期資金供給の再開を発表。これを受けて、ユーロ圏内の欧州債務危機問題の解決に向け楽観的な見方が広まり、リスク許容度が改善すると共に、ユーロの買い戻しが急がれている。
一方、欧州市場序盤ではECBの利下げ観測が浮上したことから、一旦はポジション調整によるユーロドル売りに傾斜、その後、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が、域内の景気は「激しい下振れリスク」に直面していると述べたことを手掛かりに、ユーロドルは一時1.32台半ば近辺まで下落していたが、EU当局が金融システム支援の姿勢を明確にしたとの思惑から、ユーロドルは1.44台前半まで急反発する展開となり、市場参加者は1.330割れでは損失確定売り、そして、1.340台では損失確定買いへと翻弄されている。
いずれにしても、ギリシャの債務不履行問題がユーロ圏の金融システムや実体経済に影響を及ぼすことは避けられない状況であり、今回の理事会では9月の消費者物価上昇率が前年同月比3%とインフレ懸念が払しょくされなかったことから、とりあえず、ECBは利下げを今回見送ってはいるが、潤沢な資金供給を迫られており、次回11月のECB理事会での利下げは待ったなしの状況になるかもしれない。
他方、本日は米9月雇用統計発表を控えている関係上、積み上がったユーロのショートポジションの解消買いが優勢であるが、ユーロドル1.35台の上値の重さを意識しなければならず、1.34台からのロングは自重することが賢明であろう。