ドル円膠着度強し!ユーロ戻り売り・豪ドル戻り買いに妙味?
メルケル・ドイツ首相が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の使用は最後の最後であると述べた上、EFSFを欧州金融機関の資本増強に活用する可能性を示唆したことから、市場にはドイツ政府が支援対策に積極的に乗り出すとの観測が広がり、ユーロを買い戻す動きが早まっている。
一方、昨日発表された米8月ISM非製造業景況指数等の結果を受け、米景気の底堅さが意識されたことを受けて、NYダウの上げ幅が拡大したことなどを背景にリスク回避姿勢が一服、ユーロ及び資源国通貨を中心に米ドル売り・円売りが進行している。ユーロドルは一時1.34台を窺わせる展開、そして、ドル円が再び77円台へと一旦傾斜したが、同レベルではポジション解消の動きと共に利益確定売りが優勢となり、ユ
ーロドルは1.33台半ば、そして、ドル円は再び76円台半ば近辺まで押し戻されている。その中、原油価格が下限レベルにあるため、相対的に資源国通貨に安値感が生じている。特に、豪ドルは、対ドルでは0.95割れ、そして、対円でも73円割れでは、機関投資家や信託筋の買い戻しが散見されており、中期投資の対象としては魅力的なレベルで推移しており、押し目買いに妙味が生じている。
他方、本日はECB欧州中銀金融政策発表が行われ、金利自体は1.50%の据え置きが予想されるが、その後のトリシェECB総裁の記者会見において、欧州経済の減速懸念から、ECBが金融政策の緩和余地を促す可能性があり、ユーロを更に積極的に買い戻す動きは後退しつつあり、市場のセンチメントはユーロの戻り売りに傾斜せざるを得ない状況にある。