ドル円下値堅調!77円台への足固め?
ギリシャ・デフォルトリスクが高まる中、欧州債務問題を引きずる形でドル買いが優勢になっている。市場は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)に対する期待感もあり、一時ユーロをサポートした側面はあるが、先のドイツ連邦議会(下院)において、EFSFの拡充策を承認しているが、独ショイブレ財務相は拠出額について、先週議会で承認された2,110億ユーロから引き上げる考えはないと明言するなどEFSF自体が不安視されるなど、ユーロの戻り売りが鮮明になっている。
一方、先週末に発表された独8月の小売売上高指数は、欧州ソブリン債危機の経済への影響を懸念して消費者の支出意欲が減退し、前月比2.9%まで低下、マイナス幅は2007年5月以来で最大となり、また、ユーロ圏における9月の消費者物価指数は前年同月比3%上昇し、約3年ぶりの高水準になったこともユーロ売りを誘引している。
その中、NY株式市場ではダウ平均が200ドル超の下げを見せるなど、リスク回避型の相場展開となり、米債券利回りが低下、また、原油価格が80ドル割れとなる中、ドル円は77円台への足固め、そして、ユーロドルは1.33台の安値圏に突入している。
他方、シカゴ通貨先物市場では、円ロングとユーロ及びポンドショートに2極化される中、安全通貨であるスイスフラン、そして資源国通貨の豪ドルなど主要通貨は軒並みニュートラルレベルまで接近している。ただし、ユーロショートが8万2千枚台に達しているため、過度なユーロ売りに警戒意識が高まりつつあるため、市場は段階的にドル円及びユーロドルポジションの反転時期を模索しているとも解釈できるだろう。
他方、日銀短観が発表されたが、大企業製造業業況判断及び大企業製非造業業況判断共に予想範囲内であり、為替市場が反応薄ではあるが、依然として、ユーロソブリン・リスクを中心に混沌としている。