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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ景気対策に失望感と期待感が交錯中!ユーロの買い戻しは限定的?

欧州当局者が債務問題の解決に向けて幅広い手段を検討していることを示したことから欧米主要株式指数の上げ幅が拡大したことをうけて、相対的にリスク回避姿勢が後退する中、市場はユーロの買い戻しへ傾斜している。ユーロドルは1.34ドル台前半から1.35ドル台半ば近辺まで上昇、ユーロ円も102円台半ばから103円台前半へ、それぞれ上昇する一方、ドル円は終始76円台半ば前後でもみあっている。
一方、欧州中央銀行ECBビーニ・スマギ専務理事はユーロ圏金融当局者がソブリン債危機により効果的に対処するため、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充を目指し、債券発行やソブリン債買い入れを行い、ユーロ債務危機収束に向けた次なる手段を検討し始めていると報じられ、市場には何らかの対策が講じられるとの見方が先行する中、ユーロを買い戻す動きが優先されている。
ただし、ジョイブレ独財務相は、ユーロ圏諸国にはEFSFの規模を4400億ユーロ超えて拡大する意向はないと表明、その後、オーストリア中銀のノボトニー総裁が、償還期間6カ月以上の融資を再開する可能性を指摘するなど、ユーロ圏内部において試行錯誤が続いている。市場には欧州当局の危機対応の遅れに対する失望感と共に、欧州連合EUやIMFの追加支援対策に対する期待感が相交じり、ユーロは終始不安定な相場展開を強いられている。
他方、ECBは4月と7月に利上げを実施したばかりであるが、欧州圏の景気減速が鮮明になったことを受けて、次回理事会(10月6日)では早くも利下げに向けた協議が行われるとの見方が先行している。また、欧州金融機関の資金調達難や潜在的なギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念を抱えているため、ユーロドルは1.35台では戻り売り圧力が強まっている。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年9月25日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.200 現状乖離幅0.2191→0.2248
(A)100÷103.65=0.9648−(B)1÷1.3514=0.7400=0.2248
先週の弱めの買いシグナル76.80から変化は見られず、今週も引き続き弱めの買いシグナル76.70円が点灯している。中期チャートにおいても、弱めの買いシグナルが点灯しており、76円割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(77.50〜78.00)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 31.60円 現状乖離幅 29.10→26.95円
先週の様子見1.3789から下落に転じており、今週は買いシグナル1.3514が点灯している。中期チャートにおいては弱めの買いシグナルが点灯しており、1.35割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3700〜1.3750)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −2.60円 現状乖離幅 −2.80→1.70円
先週の売りシグナル1.0365から急落しており、1.000前後ではポジション解消買いを伴い、今週は一転して、買いシグナル0.9778が点灯している。中期チャートにおいても同様に売りシグナルから買いシグナルに移行しており、0.9700前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9850〜0.9900)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 14.40円 現状乖離幅 13.85→13.15円
先週の売りシグナル0.8228から下げ足を速めている。0.8000前後ではポジション解消買いを伴い、今週は一転して、弱めの買いシグナル0.7751が点灯している。中期チャートにおいては強めから通常の売りシグナルに移行しており、0.7500〜0.8000のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.7850〜0.7900)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −0.60円 現状乖離幅 −1.65→−1.15円
先週の様子見0.9790から上昇を速めているが、今週は弱めの売りシグナル1.0309が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.0100〜1.0500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.0150〜1.0200)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.60円 現状乖離幅 44.40→42.10円
先週の弱めの売りシグナルから下げ足を速めており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見1.5489が点灯している。中期チャートにおいては買いシグナルが点灯しており、1.53前後からの押し目買いに妙味が生じている。★様子見

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −17.60円 現状乖離幅 −10.35→−20.45円
先週の弱めの買いシグナル0.8772から上昇に転じており、今週はポジション解消買いを伴い、逆に弱めの売りシグナル0.9045が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、0.8800〜0.9200のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.8850〜0.8900)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 15.95→15.55円
乖離幅には変化はなく、先週に続いて、今週も短期チャートでは様子見が点灯しているが、中期チャートでは強めの豪ドル買い・NZドル売りが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円と円高傾向にある。そして、9月第1週は185.85円、第2週は183.60円、第3週は182.70円、そして、今週はユーロ円103.65+ドル円76.70=180.35円と最高値を更新中、円高に赤信号がともっている。
(目安*185円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 12.00円 現状乖離幅 15.30→7.15円
先週の買いシグナル0.8738から変化はなく、今週も引き続き通常の買いシグナル0.8725が点灯している。中期チャートにおいては逆に売りシグナルが点灯しており、0.8500〜0.9000のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8850〜0.8950)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 18.35→18.85円
先週の様子見1.2096から上昇に転じているが、今週も引き続き様子見1.2223が点灯している。中期チャートおいては、ほぼ様子見レベルにあり、1.2000〜1.2400のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 27.00円  現状乖離幅 33.65→34.00円
先週の様子見1.3844から若干上昇しており、今週は弱めの売りシグナル1.4009が点灯している。中期チャートおいてはほぼ様子見圏内にあり、1.3700〜1.4200のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.3750〜1.3850)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的
な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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