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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ軟調地合い継続!戻り売りに妙味?

欧州債務問題が燻ぶり続ける中、市場は米連邦公開市場委員会FOMCの追加金融緩和策に期待を寄せている。現段階では保有証券の残存期間の長期化が有力視されているが、米景気の減速化懸念を払しょくするまでには至らないとの見解が多数を占めており、株価を現状維持する程度の役割にすぎないだろう。
一方、明日からはG20財務相・中央銀行総裁会議やBRICS財務相会合が相次いで開催される中、中国も含めて、新興国側からもユーロ圏債務危機への対応強化を求める声があるが、先のIMF/EU/ECB(トロイカ調査団)などが、こぞってギリシャ問題に苦慮しており、明確な打開策を打ち出せない以上、G20においても、具体的な危機対応策を打ち出す可能性は低いとみられているため、ユーロの軟調は避けられない状況にある。
他方、昨日伝わったSNB(スイス中銀)がユーロスイスの目標設定の水準を引き上げるとの憶測が引き続き材料視される中、スイスフランは対主要通貨で軟調に推移、一時、ユーロスイスは1.2320まで上昇するなど、ユーロドルのサポート要因にはなっているが、市場流動性の側面から判断しても、ユーロを更に買い上げるには力不足と判断するのが順当であり、ユーロドルの戻り売りに専念した方がリスクは軽減されるだろう。
その他では、日銀のレートチェックなどの噂もあるが、これだけリスク回避姿勢の動きが強く、ユーロ安が進行している状況を踏まえると、一部投機筋のポジショントーク的な発想と判断するのが無難であろう。それ故に、当面、ドル円が75円割れの危機を迎えるまでは、政府・日銀の介入操作は考えにくいと判断するのが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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