ユーロ波乱含みの展開継続!戻り売りでリスク軽減?
日米欧の主要中央銀行がドル資金を供給すると発表し、欧州金融機関の資金調達懸念が和らぎ、ユーロドルは一週間ぶりに1.39台へと買い戻し基調にあったが、ギリシャのデフォルト懸念を巡り、先週の欧州財務相会合で域内の債務危機に対する具体策が打ち出されなかったことを受けて、ユーロ売りが再燃、ユーロドルは1.3500割れが視野に入っている。その後、ギリシャ財務省関係筋の話として、ギリシャは欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)など3機関との合意が近いとの報道を受け、ユーロは買い戻されているが、米格付けS&Pがイタリアの長期と短期のソブリン格付けを引き下げたことも影響しており、上値は限定的になっている。
一方、米長期利回りはリスク回避志向を背景として、10年債利回りは再び2%割れへと低下傾向を強めている中、米株式市場は一時250ドル安とさえない展開となっているが、ギリシャ債務危機とユーロ離脱懸念が即座に解消するわけでもなく、株式市場はリスク回避志向を背景にした戻り売り基調が顕在化している。
他方、シカゴIMM通貨先物によれば、ユーロショートが5万4459枚と約1年3ヶ月ぶりの高水準まで膨らんでおり、ギリシャ債務危機が膠着化しているとは言え、投機筋のポジションが巻き戻しの可能性を残しているため、レベル的にはユーロ売りを加速させる難しさに直面している。
いずれにしても、ユーロ離脱問題やデフォルト懸念が、ユーロ圏のみならず、世界経済への影響力が計り知れないだけに、当面、ユーロ圏における好材料にはユーロドルの買い戻しに反応し易い相場環境にある。しかしながら、欧州債務危機が沈静化に向かう保障はなく、市場心理としては、ユーロドルの戻り売りに妙味が増している。また、ユーロは対円でもギリシャのデフォルト懸念と共に、下げ足を速めており、政府・日銀によるドル円とユーロ円に対する介入期待が強まっているが、日銀の単独介入の
限界などを考慮すればく、ユーロの戻りが市場のコンセンサスになりつつある。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年9月11日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.200
現状乖離幅0.2127→0.2113(A)100÷106.00=0.9434−(B)1÷1.3660=0.7321=0.2113
先週の買いシグナル76.80円からは上昇に転じており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見77.60円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、77円前後からの押し目買いに妙味が生じている。★様子見
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 33.60円 現状乖離幅 32.25→28.40円
先週の様子見1.4199から下げ足を速めており、今週は通常の買いシグナル1.3660が点灯している。中期チャートにおいても様子見から強めの買いシグナルに移行しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.4100〜1.4200)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −3.60円 現状乖離幅 −5.00→−3.10円
先週の売りシグナル1.0651から下落に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.0464が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルから通常の売りシグナルに移行しており、1.0600前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0350〜1.0400)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 13.40円 現状乖離幅 11.85→13.85円
先週の売りシグナル0.8457から下げ足を速めており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見0.8215が点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、0.85前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.60円 現状乖離幅 −1.15→−0.30円
先週の弱めの売りシグナル0.9852から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル0.9961が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.0000台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9800〜0.9850))
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 49.60円 現状乖離幅 47.70→45.50円
先週の弱めの買いシグナル1.6211から下げ足を速めており、今週は通常の買いシグナル1.5863が点灯している。中期チャートにおいても様子見から買いシグナルに移行しており、1.5800前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.6200〜1.6250)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −23.60円 現状乖離幅 −18.35→−20.45円
先週の様子見0.7897から急上昇しており、今週は強めの売りシグナル0.8843が点灯している。中期チャートにおいては、強めの買いシグナルから売りシグナルに移行しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8250〜0.8300)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 16.85→17.45円
乖離幅は拡大傾向にあり、短期チャートでは様子見から豪ドル売り・NZドル買いが点灯、中期チャートでは、逆に豪ドル買い・NZドル売りが点灯しおり、15〜20円のレンジ相場を形成している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円と円高傾向にある。そして、9月第1週は185.85円、そして、今週はユーロ円106.00+ドル円77.60=183.60円と円高に赤信号がともっている。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 14.35→15.45円
先週の弱めの売りシグナル0.8759から下落しており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見0.8611が点灯している。中期チャートにおいては、様子見から買いシグナルに移行しており、0.8400〜0.9000のレンジ相場を形成している。
★様子見
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 13.00円 現状乖離幅 11.80→18.25円
先週の様子見1.1213から若干下落しているものの、今週は弱めの売りシグナル1.2080が点灯している。中期チャートおいては、弱めの買いシグナルが点灯しており、1.1000〜1.1500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.2000〜1.2050)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 28.00円 現状乖離幅 27.25→35.35円
先週の買いシグナル1.2802から急上昇しており、今週は弱めの売りシグナル1.4028いる。中期チャートおいては様子見が点灯しており、1.2600〜1.3100のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.3950〜1.4000)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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