ユーロ全面安!ユーロドル1.35割れ・ユーロ円105円割れも反発に警戒?
欧州債務問題への懸念が根強い中、欧州各国政策当局者がギリシャのデフォルトを阻止できず、今週末にもデフォルトを宣言し、ギリシャはユーロ離脱に追い込まれるとの憶測が広まっている。その中で、スペインやイタリア国債購入再開に反対していたシュタルクECB理事の退任が発表されるなど、ECB内での対立と共に温度差が表面化している。また、一部報道では「ドイツはギリシャがデフォルトする場合に銀行を保護するための計画を準備」と伝わり、急速にリスク回避姿勢が強まり、ユーロが加速的に売られている。ユーロドルは1.36ドル台前半へ急落。また、ユーロ円も、一時105.30付近まで急落し、2001年7月以来、約10年ぶりの水準にまで達している。
一方、先週末に、オバマ米大統領が4470億ドル規模の雇用対策を発表しているが、市場は米議会の難航や財政赤字拡大を含めて、相対的に懐疑的な見方が先行している。他方、G7声明によれば、赤字削減と成長支援が必要とする中、ユーロ圏は先に決定されたギリシャ第2次支援を実施しつつあるとしているが、金融市場に緊張があり、金融システムの維持に必要な行動取ると必要性を表明しているが、具体策には触れておらず、世界的な経済危機を前にして、G7の限界が垣間見られている。
いずれにしても、狼狽的にユーロ売りが加速しており、ギリシャのデフォルトが現実味を帯びている以上、チャート的には年初以来の1.3500割れ、また、仮にユーロ離脱ともなれば、一年前の1.3000割れを意識しなければならないだろう。当面、ユーロドルロングは自重し、戻り売りに徹する方が賢明であろう。ただし、ユーロ円はリスク回避の円高相場により、既に年初来の安値圏を突破しており、過度な円高期待は自重局面にあると言わざるを得ないだろう。