ユーロ売り加速も下限レベル!1.3900前後からのショートは自重局面?
ECBは政策金利を事前予想通りに1.5%で据え置いたが、その後のトリシェECB総裁が記者会見において、経済の下振れリスクが強まった可能性を指摘、一部の資金調達状況がタイトになっていることを述べ、金融政策のスタンスは引き続き緩和的とするものの、今後は経済指標の極めて注意深い分析が必要であると、総じて悲観的な見解が目立ったことから、市場のコンセンサスは利上げ打ち止めの意を強くしている。
また、景気減速懸念と共に、インフレリスクが緩和され、一部では利下げの可能性まで指摘しており、ユーロはリスク回避を踏まえて、対主要通貨に全面安の状況と化している。ユーロドルは再び1.400割れ、そして、ユーロスイスフラン売りも加わり、加速的にユーロ売りが優先されている。
米国サイドでも、バーナンキFRB議長は米景気見通しに関する講演を行い、雇用対策についても努力を惜しまないとの見解を示しているが、内容的には前回のジャクソンホールでの発言と同様に、今月開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で景気浮揚に向けて、利用可能な手段について議論し、必要に応じて実行する用意があると述べている。本日のオバマ米大統領の演説に配慮したのであろうが、具体的な対策は明らかにしていない。
一方、本日早朝に行われていたオバマ米大統領の発言内容が伝わっているが、米景気支援に向け、労働者・企業向けの減税を柱とする4,470億ドルの雇用対策を提案、雇用創出計画について迅速な行動を促している。規模は当初3,000億ドル超と報じられているが、歳出拡大懸念を背景にした野党・共和党の反発が必至であり、議会での審議が難航することが予想されるだけに、市場関係者からは3,000〜3.500億ドルの範囲内にとどまる公算が高いとの見方が少なくない。