ユーロ売り材料満載中!戻り売りに妙味?
本日予定されているオバマ米大統領演説において、雇用促進策への期待感が高まる中、オバマ米大統領が打ち出す3000億ドル超の景気対策が経済成長を押し上げるとの観測を背景に、相対的にリスク許容度が改善し、NYダウが前日比235ドル高と急反発している。
昨日、米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、12地区のうち7地区は、事業環境について前回の報告時よりも悲観的な見方を示している。多く地域で経済活動が下降気味であり、消費者が支出を控えたほか、製造業の生産も抑えられており、依然として、米経済の不確実性は払しょくできていない。オバマ米大統領の演説に失望感が生じる場合には、 再びリスク回避志向が強まる可能性は否定できず、株高・ドル安の構図から株安・ドル高の構図も一考すべきであろう。
一方、ユーロドルはギリシャの債務不履行懸念から、一時1.40ドル台前半まで下落したが、米地区連銀報告が米景気減速を促す内容や、独連邦憲法裁判所がドイツのユーロ圏財政危機国支援参加は違憲とする裁判で原告の違憲申し立てを棄却したことを受け、欧州債務危機に対する懸念が一服し、リスク回避色が和らぎ1.41ドル台前半まで反発している。しかしながら、潜在的なリスク回避志向は根強く、同レベルではポジション解消売りに圧されており、上げ幅を解消している。また、先にスイス中銀(SNB)
がスイスフランの対ユーロ相場に上限(1.2000)を設定後、昨日はユーロスイスが1.2100台まで上昇した一服感から、利益確定売りと共に調整売りが伴い、ユーロドルの重石に繋がっている。
他方、日米欧の国債格下げ問題が問われる中、米国では歳出拡大懸念による財政赤字問題、そして、ユーロ圏ではギリシャ国債が20%まで上昇、他の重債務国の利回りも上昇過程にあり、一部欧州金融機関が資金調達難に直面するなど、リスク回避を背景に、中国や中東勢の米欧債券に対する依存度は低下傾向にある。その中で、日本国債の保有率は国内に依存している関係上、比較的に安全資産としてみなされており、米欧経済の不透明さを背景に消去的に円買い志向が強まっている。