損失確定売買が優先!見極めの時期?
欧州市場序盤ではスイス中銀(SNB)がユーロスイスに対して、1.2000の上限目標を設定したことを受けて、スイスフランが対主要通貨で軒並み下落する中、対ユーロでは過去最大の下げ幅を記録し、ユーロは対ドルで一時1.42台後半まで連れ高現象を見せたが、欧州財政危機を背景に長続きせず、利益確定売りに圧されて下げ足を速めている。その後、独政府筋から「メルケル独首相はギリシャのユーロ圏脱退を警告」との報道が伝わったが嫌気され、ユーロドル売りが加速、節目である1.40割れまで急落するなど市場は混迷を極めている。
一方、NYダウは世界経済の減速懸念が拡大したことから、一時300ドルを超える大幅安となった事でリスク回避姿勢が更に強まり、ドルは対主要通貨で全面高の様相を呈しており、ドル円は77円台でしっかりとした動きになっている。
他方、本日は、米地区連銀経済報告(ベージュブック))が予定されているが、米経済の減速懸念が拡大する中、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和策導入の期待が高まっていることから、内容的には悪材料山積と判断してほぼ間違いないだろうが、米ドルが欧州財政懸念を背景にして、上昇基調を強めているだけに、過度なドルロングは自重することが賢明であろう。
本日は日銀金融政策決定会合が行われるが、スイス中銀の断固たる介入措置に対して、白川日銀総裁が円高阻止について如何に発言するかにも注目が集まる。野田新内閣が財政再建に向けた円高阻止を唱えている以上、円高対策には前向きな見解が予想されるため、ドル円は底堅く推移すると判断するのが賢明であろう。