野田新政権誕生で円売りに安堵感・・・?
先のバーナンキ議長の講演おいて、QE3を示唆しなかったことで、市場の評価は分かれてはいるが、FRBの金融政策の手詰まり観測と共に、超低利金利政策の長期化が余儀なくされる中、概ね結論の先送りにすぎないとの見方が大勢を占めているため、市場は全般的にドル売りが優先されている。
一方、債務問題に明け暮れているギリシャの金融機関が合併を発表し、また、ユンケル・ユーログループ議長がギリシャ担保問題は数日か数週間のうちに解決に向かうとの見通しを述べ、同時に、スイス政府がスイスフラン高に対する決定事項を発表するとの報道が伝わったことを受けて、スイスフラン売りが加速、特に対ユーロでの下げ幅を拡大したことがユーロ買いの後押しになっている。安全資産として買われ続きてきたスイスフランに変調の兆しがあるだけに、市場のコンセンサスは過度な円ロングにも疑念が生じる可能性があるが、野田新政権が円売り介入には積極的との見方が先行しており、過度な円買い志向は後退せざるを得ない相場環境にある。
他方、米国では米7月個人消費支出が予想を上回ったことが好感され、欧米主要株価指数の上げ幅が拡大する中、米長期金利利回りが再び上昇しており、日米の金利差の拡大を背景として、ドル円は一時77円台まで上昇する場面があったが、同時に、ポジション解消売りが優先され、値動き自体は限定的になっている。
補足的になるが、シカゴIMM通貨先物の建玉においては、依然として、リスク回避志向を背景として、円ロングは4万枚台を維持している一方、ユーロロング2,539枚を筆頭にして、各主要通貨もポジション調整主体の動きが優先されており、投機筋の方向感の無さが如実に表れており、基本的には相場の動意付けを待ってから逆張りを重視した方がリスクは軽減されるだろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年8月28日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.200 現状乖離幅0.2135→0.2101(A)100÷111.15=0.8997−(B)1÷1.4501=0.6896=0.2101
先週の買いシグナル76.50円からほぼ変化はなく、今週も引き続き通常の買いシグナル76.65円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからのからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(77.50〜78.50)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 33.60円 現状乖離幅 33.60→34.50円
先週の売りシグナル1.4392から上昇に転じており、今週はやや強めの売りシグナル1.4501が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、もう一段の上昇局面からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.4200〜1.4300)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −3.60円 現状乖離幅 −3.10→−4.45円
先週の弱めの売りシグナル1.0405から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル1.0581が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.06台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0300〜1.0400)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 13.40円 現状乖離幅 13.95→12.25円
先週の様子見0.8176から上昇を速めており、今週は売りシグナル0.8402が点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、0.85前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8200〜0.8300)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.60円 現状乖離幅 −0.85→−1.45円
先週の弱めの売りシグナル0.9890から若干下落しており、今週はほぼ様子見に近い売りシグナル0.9814が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、0.9600〜1.0000のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.9800)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 49.60円 現状乖離幅 49.55→48.45円
先週の弱めの売りシグナル1.6477から下落に転じており、今週はポジション解消買いを伴い様子見1.6373が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しているが、1.6000〜1.6500のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −23.60円 現状乖離幅 −20.85→−18.35円
先週の様子見0.7858から上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル0.8068が点灯している。中期チャートにおいては、買いシグナルが点灯しており、0.7700〜0.8200のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.7800〜0.7850)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 17.05→16.70円
短期チャートでは様子見が点灯しているが、中期チャートにおいては強めの豪ドル買い・NZドル売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70円★様子見
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月第1週は187.50円、第2週は190.45円、8月第3週は186.25円、8月第4週は186.60円、そして、今週はユーロ円111.15+ドル円76.65=187.80円。依然として、円買いに過熱感が生じている。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 15.95→14.35円
先週の様子見0.8735から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル0.8857が点灯している。中期チャートにおいては、弱い売りシグナルが点灯しており、0.9000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8700〜0.8750)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 10.00円 現状乖離幅 12.75→16.15円
先週の弱めの売りシグナル1.1292から上昇を速めており、今週は強めの売りシグナル1.1700が点灯している。中期チャートおいては、逆に買いシグナルが点灯しており、1.1200〜1.1800のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.1200〜1.1300)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 26.00円 現状乖離幅 28.70→30.50円
先週の様子見1.2948から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル1.3211が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.2800〜1.3400のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.2900〜1.3000)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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