量的緩和策QE3⇒トーンダウン!一進一退の展開?
本日予定されているバーナンキFRB議長の講演を巡り、様々な憶測が飛び交っている。内容次第では状況が一変する可能性が高いが、市場のコンセンサスとしては、追加刺激策(QE3)を示唆してくる可能性は低いとの見方が先行する中、ドルを買い戻す動きに繋がり、ドル円は77円台で終始底堅い動きを見せている。
一方、米当局としても、景気減速懸念が強まる中、株式市場への影響をできるだけ軽度にとどめたい意向から、ある程度の追加緩和策が求められているが、既に、FRBはゼロ金利政策の長期化を発表しているだけに、手詰まり感と共に選択肢は限られているのが現状であろう。仮に中途半端な追加緩和策ともなれば、失望感と共に、一時的にドル売りを誘発する可能性は否定できないが、相対的にQE3がトーンダウンしており、為替への影響は限定的と判断するのが無難であろう。
他方、ユーロ圏では空売り規制の延長をめぐり緊張度が高まっているが、その中、イタリア、そして、スペインは株式の空売り禁止措置を9月30日まで延長する旨を発表、また、フランス当局は11月11日まで継続する可能性があると言及したことを受けて、ドイツにも空売り規制を導入との憶測が飛び火、独財務相は否定しているものの、一時独DAX指数が4%急落したことがNYダウの下落に繋がっており、ややリスク回避の動きが強まりつつある。
また、欧米金融市場では欧州財政危機の深刻化を受けて、欧州銀行の資金調達が難航しているとの話題が浮上、一部の欧州銀行が大量の重債務国債を保有している関係上、担保に窮しているとの憶測が先行していることもユーロの上値の重さに繋がっている。