債券利回り低下継続!安全資産探しの限界?
米経済指標の悪化が相次いでいるが、昨日は発表されたフィラデルフィア連銀の8月地区製造業景況指数は2009年3月以来の低水準に落ち込み、7月中古住宅販売件数は予想外に減少するなど、米経済がリセッションに追いやられるとの警戒感が強まっている。
一方、株式市場などでは量的追加緩和第3弾(QE3)への期待感は強いものの、効果は限定的との見方が先行しており、NYダウは一時前日比500ドル超まで急落するなど、相変わらずリスク選考の動きが根強い中、米債券市場では10年債利回りが一時2%割れとなるなど、世界経済の負の連鎖を背景に安全資産である債券市場への流入が加速している。その中で、米国債の格下げ後、昨日、米中会談が行われ、世界最大保有国である中国側の動向が注目されているが、中国としても、新たな外貨資産投資に苦慮しており、売るに売れない米国債と言う現状であろう。
ドル円相場は米経済の二番底懸念や追加金融緩和観測を背景とした日米金利格差の縮小により、ドル円の上値の重い展開を強いられており、現状では政府・日銀による円売り介入への期待感もあり、辛うじて、76円台を維持しているが、3月に付けたドル円最高値76.25割れ突破や、節目である75円トライも時間の問題と言わざるを得ない状況である。
他方、ユーロ圏では、先の独仏首脳会談が好感されたと共に、米経済の2番底懸念からユーロドルは一時1.45台を回復していたが、重債務国の財政不安が一向に解消されておらず、上昇局面ではポジション調整売りが優先されている。