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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

高金利と為替リスクの選択→2006年!

「おせち料理」のシーズンでアメ横も賑わっていますが、少子高齢化の影響で、激減しているのもおせち料理らしい。その上、餅が嫌いで雑煮も食べない家庭が増えているそうですが、少々、味気がないものを感じますね。クリスマスは華やかに、正月は質素に過ごす家庭が多くなっているのかもしれません。我が家でも4〜5年前から、日ごろの主婦の労??をねぎらうためにも市販のおせち料理を買うように提案はするのだが、結局は値段と中身がマッチせずに、好きなものだけ買い集めた方が良いと言う結論に達する。
育った環境の違いもあるのでしょうが、「年越しそば」は欠かせないと主張する自分と、できれば蕎麦よりはうどんにしてくれと物申す女房と娘の時代なのかもしれません。
為替相場にも言えるが、味気のない低金利の日本円よりも生クリームがついた外貨投資に心が奪われる世の常ですから、お餅よりはケーキの方が良いという意見もわからないでもない。
しかし、どうしても餅と蕎麦は譲れませんね。

●昨日から全く動きが取れない年末相場であり、東京市場では更に閑散状態が継続されるが、ドル円118円台に向けての展開が生じても海外市場に委ねるしかなく、市場参加参加者も激減せざるを得ない状況である。本日は注目される経済指標もなく、こう着状態は避けられそうにない。来年度に向けての円安・円高論議も現状では日米金利差の要因を掲げることが前提でもあり、仮に金利縮小懸念が生じても来春以降の話題になると、相変わらず米ドルの底堅さを否定できないのが現状である。株式市場において、ネット取引の個人投資家の増殖が顕著に見られるように、為替市場においても、更に外貨投資の対象が拡大することは確実であり、世界の基軸通貨でもありながら、高金利通貨の仲間入りをしている米ドルに関心が集まるのは自然の流れでもある。しかしながら、先日の米長短金利が逆転していることは米景況感の先行きの見通しにも影響しており、インフレ懸念の終焉、そして、FFレートの金利打ち止め、または逆イールドが回復した際の長期金利の上昇により、今まで米景気を牽引してきた住宅関連に影響を与えることを踏まえると、米ドルの一本調子の上昇は考えにくいのが現状であろう。さらにシカゴIMM通貨先物の米ドルロングの減少が見られるように、市場心理が米ドル売りに傾斜しはじめている可能性も大きく、金利差だけの米ドル買いにも赤信号が点滅していると言えよう。
▲来年度に向けては、米国の双子の赤字である経常赤字と財政赤字の問題に真剣にとり組むとブッシュ政権は表明しているが、グリーンスパンFRB議長が米国の景気が順調であると示す一方では、国内の貯蓄不足と過剰とも言える消費大国の国民性が輸入拡大に繋がり、経常赤字を削減できない構図があり、現状のように海外投資家や他の中銀による資本流入「海外マネー」で凌いでいる状況では、米ドルに対する信頼性が損なわれる可能性が高くなる。金利に対する魅力は捨て難いが、同時に為替リスクも満載していることにもなる。
ドル円は118円台に乗せてはいるが、まだ薄商いの中での米ドル買いであり、118円台半ばの利益確定売りを意識する展開でもあり、118円台半ばの売りを推奨する。ユーロドルは昨日同様に1.18割れの買い、売りは1.190台と限定して臨みたい相場である。
いずれにしても、本日は妙味が少ない市場となるが、注意点としてあげれば、例年の為替市場おいても年末は動かず、年初の東京市場が休場の際に投機筋が多く見られ、結構乱高下することがあるため、ストップロスも含めて、ポジションの縮小に専念すべきである。
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それでは皆様、良いお年をお迎えください。来年も宜しくお願い申し上げます。



プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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