日銀介入警戒強まるも!単独介入の限界?
米政府議会の連邦債務の上限が大枠で合意、段階的に債務上限を切り上げることで、懸念されたデフォルト危機はぎりぎりで回避されたことが好感され、一時ドル買いが進行したが、先の米第2四半期国内総生産(GDP)の悪化に続き、昨日発表された米7月ISM製造業景況指数の低下を背景に、NYダウが前日比マイナス圏まで急落し、米景気減速懸念が再確認される中、ドル円は一時過去最高値(76.25円)近辺まで接近する中、ユーロ円も110円割れの展開となったが、その後、政府・日銀が円高阻止に向けて、緊急対策の検討に入ったことが伝えられ、ドル円は反発気味に77円台を回復している。
日本政府は円高に関しては、欧米当局などと断続的に協議を勧めているが、米財政悪化を背景にして、米債のデフォルトや格下げ問題がドル安に拍車をかけており、日銀による単独介入では円高阻止に不十分との見方は未だに根強い。東日本大震災後の円高阻止の際には、日本経済の停滞懸念から協調介入の合意は得られたが、今回、米国側は日銀介入姿勢を容認しているが、日米欧経済の負が重なり、未だに協調介入の域までは達しておらず、ドル円75円割れでも見ない限り、国際協調を取り付ける難しさに直面している。とは言え、当面、介入警戒からドル円は底堅い展開となるであろうが、米経済の減速懸念が高まる中、ドルの買い戻しは限定的と判断するのが妥当であろう。