ドル円78円割れトライ必至!下値限定的?
米債務上限引き上げ問題をめぐり、与野党の交渉が難航しており、前日のNYダウが下落する中、為替相場はドル安・円高が進展している。
一方、欧州ではスロバキアの連立与党の一部が、救済基金への参加と一時的な基金の規模拡大に反対する中、ギリシャ向けの支援パッケージの条件を拒否する意向を示すなど、欧州債務問題の火種も依然として燻ぶり続けている。また、格付け会社ムーディーズがギリシャの長期債務格付けを下から2番目に当たる「Ca」と従来の「Caa」から3段階引き下げる中、欧州連合(EU)が合意したギリシャ支援パッケージは民間の債権者に「相当」の損失をもたらすと指摘しており、ギリシャの債務不履行が現実味を帯びている。
他方、債券市場では、先に、米格付け会社S&Pが債務上限をめぐる協議の行き詰まりに伴い、米国債「AAA」の格付けを3カ月以内に引き下げる確率が50%に高まったと指摘しているが、昨日の米10年債は3%台まで上昇する中、米5年物国債のCDSのスプレッドは一時2010年2月以来の水準57.5まで上昇している。同時に、欧州債市場でもイタリア債を筆頭にして、重債務国の債券が売られており、再び利回りの上昇圧力が続いており、相対的なリスク回避の動きに歯止めがかかっておらず、為替相場はドル安・ユーロ安へと傾斜する中、市場は円高やスイスフラン高、そして、有資源国通貨高に繋がっている。ただし、いずれの通貨も最高値を更新しており、米欧の債務問題が一定の決着を見れば、ドル及びユーロの反動買いも期待されるだろう。