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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

年明け円高・円安真っ二つ!ご勝手に

我が家の太目のお嬢様は典型的なB型人間である。成績はお世辞にも良くはないが、本人は全く気にしていない。特に数学が苦手であり、塾通いを試み、前回は100点満点で44点、そして今回の期末テストでは62点と上昇したのは良いが、ほめてくれと強要する。彼女の言い分によると、最初のテストがたったの4点と白状したが、2回目の点数が44点なので11倍に増えた勘定である。そして今回が15倍以上と都合の良い解釈ばかり、挙句の果てにクリスマスプレゼントを強要するほど自己中心の性格である。体系は父親似であるが、性格は益々奥方様に接近している。恒例の大掃除も控えており、原稿が滞りがちで悪戦苦闘の日々になるが、正月返上の原稿書きとなりそうである。
為替売買には余裕が必要なのだが、なかなか環境が許してくれそうにないですね。
●年明け後もドル高の見通しが根強いが、先週から警告してきたシカゴIMM通貨先物に変調が見える。円ショートの急減もあるが、カナダドルを除いた全通貨に米ドルのロングポジション解消が急がされていることに注目は集まらざるを得ない。またユーロドルもショートからロングともなれば、米ドル高の変調の兆しでもあるが、マーケットトレンドが円高に移行しているのは間違いないところであろう。遅ればせながら、後付け講釈のテクニカル分析も軒並円高を示唆しているようであるが、注目はドル円120円から115円に迫っている局面と言っても過言ではないだろう。
▲週初めの薄商い相場を考えると、いきなり115円を割る展開は望めないにしても、意外に早い円高局面も考えられるだけに、117円前後での売り圧力を念頭に取引したい年度末である。今週の米経済指標は特に注目に値しないが、悪化が生じればポジション整理の米ドル売りの反応が強まるだけに、米ドルショートを念頭に正月を迎える姿勢が望ましいが、年明けの平日(2日、3日)が休場の際には投機筋が仕掛けやすい局面を配慮しながらのポジション形成が必要である。
▲ドル円の年間変動率が一時は18%に迫る展開であったが、年間を通して、例年並みの12~3%に落ち着く気配であるが、円安のピークは完全に終止符を打った感があると言い切れないのは、どうしても日米金利差が米ドルの下値を支えることも確実であり、115円レベルからの円高も限界があると見てよいだろう。115円台からの買いニーズが衰えるには、個人投資家の動向を見極める必要はあるが、米金利の打ち止め感が前面に押し出せない限りは望み薄とも言えるだろう。いずれにしても、投機筋の米ドル売りの状況が掴みきれない状況を踏まえて、とりあえずは115円前後の円高シナリオと117円台半ばまでの円安シナリオを描いて望みたい相場である。先の米貿易赤字が過去最大を記録しているように、削減策に進展が見られない状況が続くだけに、たとえ対米証券投資がカバーをし続けるにしても、限界も近いと判断するのが妥当であり、逆に対米証券投資に蔭りが見え始めたら、米ドルの急落も想定することも必要である。当面はポジション縮小と管理に精を出すことが賢明であろう。強いて言えば、もう一度シカゴIMM先物通貨の状況確認してからでも遅くない程度の余裕が必要である。
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********今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
*円高基調が鮮明になるには115円台半ば割れを見なければ難しいが、円の独歩安が終了したことは本ペットチャートも物語っており、米ドルの上値が重い展開には変わりがないといえる。
新外為の森 
チャート参照
▲ドル円 ドル円の戻り買いもあったが117円台では限定的であり、再度ドル円116.20円の売りを支持している。安全を期すならば117円前後の売りを推奨する。
▲ユーロドルは先週の模様眺めから一転して、1.1876には買いシグナルが点灯しており、ほぼ全通貨に対して米ドル売りが顕著になりつつある局面である。
▲豪ドルも様子見から、買いに転じており、0.7289の買いを推奨する。NZドルも引き続き0.6734の買いを推奨する。
▲カナダドルは依然として様子見が続く。
▲ ポンドは売り気配から一変して買いに突入、1.7336の買いを推奨する。
▲スイスフラン 引き続き買い気配。0.7629レベルの買い推奨。
▲カナダドル 再び様子見に突入。
▲豪ドル円/NZドル円裁定取引 乖離幅が基準レベル6.50円に戻っているため様子見継続中。過去の推移は4.65円→4.25円→5.75円→6.20円→6.45円。
▲単純加算方式 ドル円+ユーロ円の推移は下記のようになっている。
円安進行中ではドル円120.65+ユーロ円142.50=263.15円と拡大したが、今回の円高で一気に縮小。先週のドル円115.65円+ユーロ円138.95円=254.60から今週は116.20+138.00=254.20円と円高基調はあるが、まだ不充分といえる。250円割れまで期待できるため、255円以上であればドル円売り+ユーロ円売り、少な目からスタート可能。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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