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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米欧不安材料多し!不透明感の中、ドル円79円前後で膠着?

先週金曜日に公表された欧州銀行のストレステストは不合格が8行と概ね想定範囲ではるが、ギリシャ支援に絡む民間銀行の負担分は査定に反映されていないため、不透明感は払しょくされていないため、ユーロドルの重石になっている。
一方、米議会で米債務上限引き上げをめぐっては交渉が難航しているものの、市場では何らかの合意がなされるとの見方が強まったことなどが背景に、ドル買い需要は増しているものの、米連邦債務上限引き上げの期限としては8月2日が予定されて雄入り、手続き上では7月22日前後までに合意が必要とされているため、相対的に緊張度が強まる中、米国債の格下げ問題も現実味を帯びており、市場は積極的にドルを買い上げづらい相場環境になっている。
他方、アイルランドとギリシャがジャンク(投資不適格)級に格下げされ、さらにソブリン危機がイタリアやスペインに波及する中、イタリアとスペインの10年債利回りは1999年のユーロ導入以来最高水準まで上昇するなど、両国の国債離れが強まる中、ECBの利上げにもかかわらず、独連邦債10年物の利回りは低下傾向にあり、依然としてリスク回避の動きは顕在化しており、米欧の金利格差の面でもユーロロングを敬遠する傾向にある。
その他では、先週発表された7月のNY地区連銀製造業景況指数とミシガン大学消費者信頼感指数・速報値がいずれも予想を大幅に下回るなど、米景気減速懸念が高まる中、米追加金融緩和策(QE3)が強まる可能性もあり、米長期金利の上昇が限定的になっているため、ドルを買い戻す動きも脆弱性を帯びている。

●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年7月17日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1688→0.1872 
A)100÷111.95=0.8933 −B)1÷1.4162=0.7061=0.1872
先週の弱めの売りシグナル80.60円から下落に転じており、80円レベルでポジション解消買いを伴い、今週は弱めの買いシグナル79.05円が点灯している。中期チャートにおいては、強めの買いシグナルが点灯しており、78.00〜82.00円のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(80.00)

▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 34.20円 現状乖離幅 34.30→32.90円
先週の様子見1.4256から下落に転じているが、今週は売りシグナル1.4162が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、1.4000〜1.4400のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(1.4000〜1.4050)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −5.70円 現状乖離幅 −6.20→−5.20円
先週の売りシグナル1.0769から下落に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.0658が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、1.07台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0600)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 15.60円 現状乖離幅 15.00→12.10円
先週の強めの売りシグナル0.8387から、更に上昇しており、今週は強い売りシグナル0.8469が点灯している。中期チャートにおいても強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8050〜0.8150)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −3.00円 現状乖離幅 −3.35→−3.75円
先週の弱めの買いシグナル0.9601から若干下落しており、今週は通常の買いシグナル0.9547が点灯している。中期チャートでも買いシグナルが点灯しており、0.95割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.9700〜0.9800)

▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 50.20円 現状乖離幅 48.70→48.45円
先週の弱めの買いシグナル1.6042から上昇しており、今週は一転して、弱めの売りシグナル1.6129が点灯している。中期チャートにおいてはほぼ様子見が点灯しており、1.5900〜1.6300のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.6000〜1.6050)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −13.20円 現状乖離幅 −15.70→−18.20円
先週の強めの買いシグナル0.8370から下落を速めており、今週は強い買いシグナル0.8129が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8500〜0.8600)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 21.30円 現状乖離幅 19.20→17.30円
先週の乖離幅からは急速に縮小しており、今週も短期及び中期チャート共に豪ドル買い・NZドル売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30円
★ターゲット(21.00〜22.00円)

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月第1週は198.25円、7月第2週は195.50円、そして、今週はユーロ円111.95+ドル円79.05=191円と円売りに妙味が生じている。(目安*195円以下は円売り局面⇔205円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 14.40→15.55円
先週の弱めの売りシグナル0.8886から下落しており、今週はポジション解消買いに伴い様子見0.8780点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、0.8600〜0.9000のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 21.00円 現状乖離幅 18.60→14.70円
先週の強めの買いシグナル1.1931から下げ足を速めており、今週は強い買いシグナル1.1512が点灯している。中期チャートおいても、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2200〜1.2300)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 37.00円  現状乖離幅 33.00→30.25円
先週の強めの買いシグナル1.3427から更に下落しており、今週は強い買いシグナル1.3111が点灯している。中期チャートおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからお押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3900〜1.4000)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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