ユーロ不安拡大中 VS ユーロドル1.39台&ドル円80円割れに値ごろ感の買い?
欧州ではギリシャ債務危機の解決に向けた取り組みが続いているが、昨日行われたユーロ圏財務相会合では、ギリシャ国債の買い戻しの可能性や、民間セクターが既存の国債を期間が長めの国債と交換する方向で協議された模様であるが、イタリアやスペインの国債が急落した事で、欧州信用不安が急速に拡大、ユーロドルは一時1.40割れ、そして、ユーロ円も113円割れへとユーロロングを解消する動きが強まっている。
一方、英FT紙がユーロ圏財務相会合で、ギリシャ国債の一部デフォルト(債務不履行)を容認する案について協議しているとの見通しを報道、同時に、独紙によれば、欧州中央銀行(ECB)がイタリアの危機への対応も視野に入れ、域内救済基金の規模倍増を模索しているとの報道などがユーロ全面安の状況を作りだしている。
他方、米国の雇用統計の悪化などの不安要素もあり、ドルも積極的に買える相場環境ではないが、リスク回避志向によるドル買いと同時に、円買いへと波及している。当面、ユーロ圏における信用不安が沈静化するまではドル買い・円買い・ユーロ売りに傾斜せざるを得ないだろう。ただし、ドル円80円割れと共に、ユーロドル1.40割れには利益確定買いや値ごろ感の買いが散見されるため、加速的な円買い及びユーロ売りには繋がらないと判断するのが無難であろうが、今回は、ECBの利上げ観測をふまえてユーロロングが増えた直後だけに、投資家などの投げ売りが加速しているとの噂があり、ある程度の乱高下を想定した上で臨むことが得策であろう。