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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

読みづらい展開へ!レンジ幅拡大で待機策賢明?

欧州信用不安が引き続き重石となる中、注目の米雇用統計が予想以上に悪い内容となったことから、ドル円相場は80円台半ば近辺まで円買いの動きが強まり、同時に、対主要通貨でも消去法的に円買いが加速している。
先週末、米労働省が発表した6月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比1万8000人増加(事前予想10万5000人増)にとどまり、また、失業率も9.2%(9.1%)と事前予想より悪化するなど、米景気減速懸念が広がっている。
しかしながら、先のADP雇用統計が強い内容だったにもかかわらず、今回の米雇用統計の悪化の反動を受けて、一時、ドルの失望売りが進行すると思われたが、対円にのみ集中する格好となり、クロス円は軒並み損失確定売りなどが先行した関係上、ユーロドルは1.42割れ寸前まで押し下げられている。
一方、先週のECB理事会後、トリシェECB総裁が記者会見において、ポルトガル国債をECBの資金供給オペの担保として受け入れる際の最低信用格付け基準の適用を停止する方針を示したことからユーロドルは1.43台後半まで上昇した場面が見られたが、その後、欧州連合と欧州委員会の定例会合に、トリシェECB総裁やユーログループのユンケル議長、レーン欧州委員が加わると伝えられ、欧州債務危機が拡大するとの懸念が広がったことなどがユーロ売りを助長している。
他方、一部報道では中国経済は約2年ぶりの低成長にとどまった公算が大きいと報じらており、世界的に経済の減速懸念が高まりつつあるだけに、相対的に為替のみならず、株、債券市場が読みづらい相場環境に直面していると言わざるを得ないだろう。


●今週のペットでも判る簡単チャート
作成年月日2011年7月10日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1635→0.1688
A)100÷114.90=0.8703 B)1÷1.4256=0.7015=0.1688
先週の弱めの買いシグナル80.80円から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル80.60円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として通常の買いシグナルが点灯しており、80円割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(81.0〜81.50)

▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 35.50円 現状乖離幅 33.65→36.65円
先週の売りシグナルから下落を速めており、1.43前後ではポジション解消買いが伴い、今週は弱めの買いシグナル1.4256が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、1.4100〜1.4400のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.4300)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −4.40円 現状乖離幅 −6.30−6.20円
先週の売りシグナル1.0780から変化は見られず、今週も売りシグナル1.0769が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、1.0800前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0650〜1.0700)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 13.90→15.00円
先週の強めの売りシグナル0.8380から、更に上昇しており、今週は強い売りシグナル0.8387が点灯している。中期チャートにおいても強い売りシグナルが点灯しており、0.84前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.7950〜0.8050)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.70円 現状乖離幅 −3.50→−3.35円
先週の買いシグナル0.9585から若干上昇しているが、今週も引き続き買いシグナル0.9601が点灯している。中期チャートは弱めの買いシグナルが点灯しており、0.95前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9750〜0.9800)

▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 51.50円 現状乖離幅 49.05→48.70円
先週の弱めの買いシグナル1.6071から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.6042が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、1.5900〜1.6300のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.6150〜1.6200)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −12.50円 現状乖離幅 −14.50→−15.70円
先週の買いシグナル0.8478から上昇に転じており、今週は強めの買いシグナル0.8370が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.8650〜0.8750)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 21.50円 現状乖離幅 20.20→19.20円
先週の乖離幅からは縮小しているが、今週も短期及び中期チャート共に豪ドル買い・NZドル売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20円
★ターゲット(21.50〜22.00円)

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月第1週は198.25円、そして、今週はユーロ円114.90+ドル円80.60=195.50円(目安*195円以下は円売り局面⇔205円以
上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 14.30→12.40円
先週の売りシグナル0.9045から若干下落しており、今週は弱めの売りシグナ
ル0.8886点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、0.9100前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8750〜0.8800)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 23.00円 現状乖離幅 22.15→18.60円
先週の買いシグナル1.2324から下げ足を速めており、今週は強めの買いシグナル
1.1931が点灯している。中期チャートおいては、依然として、強めの買いシグナル
が点灯しており、1.19前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.2400〜1.2500)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 39.00円  現状乖離幅 34.55→33.00円
先週の強めの買いシグナル1.3625から更に下落しており、今週は強い買いシグナル
1.3427が点灯している。中期チャートおいても強い買いシグナルが点灯しており、
現状レベルからお押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.4200〜1.4300)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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