ユーロ試行錯誤の中、乱高下!直近のレンジ幅で対応可能?
米ADP雇用統計が予想を上回った事を受けて、米ドル買いの流れが継続される中、ドル円は81円台半ば、そして、ユーロドルは一時1.42割れを窺う展開を見せていたが、その後、ECB理事会は政策金利を事前予想通りに0.25%引き上げを決定、概ね、利上げは織り込み済みとの見方が優勢であったため、市場の反応は限定的であったが、その後、ECB理事会後のトリシェ総裁の会見において、ジャンク級に格下げされているポルトガル債については担保の格付け基準適用を停止することを示唆する中、金利は依然として低水準、金融政策のスタンスは引き続き緩和的であるが、物価上昇のリスクを考えれば利上げは必要と、相対的に年内の追加利上げに含みを持たせたことから、ユーロは1.43台半ばまで反転し、下げ幅を解消している。
一方、ジャンク級に格下げになった債券をECBが恒常的に担保として受け入れる難しさを指摘する声も少なくなく、暫定的な措置と言わざるを得ないのかもしれない。とは言え、市場は、当面のポルトガルの財政難やギリシャのデフォルト(債務不履行)が一時的にも回避されたことから、ユーロドルの買い戻しが優勢になっているが、ユーロドル1.44前後ではポジション解消売りと共に新規の売りが散見されるなど、依然として、リスク回避によるユーロ売りが優勢であり、1.44前後からのロングは自重することが賢明であろう。
他方、ADPの結果を好感して、本日発表される米6月雇用統計に対する期待感が更に高まっている関係上、徐々にドルの買い戻す動きが散見されている。しかしながら、米国サイドでは財政赤字削減問題が難航しており、積極的なドル買い志向も萎えているのが現状であり、いずれの通貨も直近のレンジ幅で対応せざるを得ないだろう。