ユーロの上昇に一服感!ドルショート自重局面? (ペットチャートPDFで公開)
NY市場の休場を受けて、市場は薄商いの中、総じて、調整力を強めた展開になっているが、週末に行われたユーロ圏財務相の電話会議では、第5回目の融資を承認するなど、ギリシャの債務不履行懸念は一応後退しているため、相対的なリスク許容度が改善を受けて、ユーロドルは1.45台ドル後半まで上昇しているが、同レベルでは利益確定や調整売りが散見される中、格付け会社S&Pが「債務のロールオーバー案、ギリシャを選択的デフォルトとする可能性がある」との認識を再び示唆したことから、市場はユーロ売りへ傾斜するなど、未だに神経質な展開を余儀なくされており、更なる上昇を危ぶむ声も少なくない。
一方、先週発表された6月ISM製造業景気指数は予想を上回ったことで、米景気減速懸念が緩和されるとの見方も先行しており、特にISM製造業の項目別の「雇用指数」は4ヶ月ぶりに改善したことから、今週末に発表される6月米雇用統計に対する改善期待が浮上するなど、一連の経済指標の動向次第ではドルの巻き返しを想定する必要があるだろう。また、米長期金利10年債も3.3%近辺まで上昇すると、金利面での優位性もあり、ドル売りが一服する可能性も否定できないだろう,
他方、市場は徐々に、ギリシャのデフォルト問題から解放されつつあるが、従来のファンダメンタルである各国経済指標関連に移行する可能性もあるため、6月雇用統計をはじめとした米経済指標に市場の注目が集まる可能性がより高いだけに、過度なドル売りは自重局面にあると判断するのが妥当であろう。