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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドル1.4500正念場!ロングは自重局面?

ギリシャ議会は緊縮財政法案を可決。その直後には利益確定売りが強まり、ユーロは1.44台から急落する場面があったが、NYダウ並びに原油価格が堅調に推移していた関係上、リスク選考姿勢の動きと共に、一転して、下げ幅を解消するなど典型的な心理相場と化している。
ギリシャ議会の緊縮財政法案通過により、デフォルトは一時回避された格好であるが、既に、来月から始まるギリシャ債の償還の動向に注目が集まっており、特に、大量のギリシャ債保有国であるドイツ、フランス、そして、ECBなどはギリシャ支援に向けて協調姿勢を示している中、不良債権を抱えている金融機関が自発的にロールオーバーーを受け入れる方向にあると伝わっており、デフォルトは回避される見込みであるが、反面、大手格付け会社は今回のロールオーバーは自発的とは認められず、デフォルトに該当するという姿勢を打ち出すなど、依然として予断を許せない状況が続いている。
ロールオーバーの内容はギリシャ債の償還元本の70%を、新たに発行されるギリシャ30年債に再投資され、優良発行体のゼロクーポン債を担保として、元本が保証されるというものであるが、格付け会社のデフォルトに該当しないという前提条件があるため、英仏と格付け会社との間で水面下での調整が行われているとの噂もあるが、また、7月3日にはユーロ圏財務相会合が開かれるため、最悪事態のデフォルト回避に向けて、格付け会社のデフォルト認定を阻止する可能性が高まっている。
いずれにしても、ギリシャのデフォルト回避が今回のユーロ買い要因に繋がっているが、ギリシャ債を巡り難題山積であることは変わらず、1.45近辺では再度ポジション調整売りが強まる可能性があり、同レベルからのロングは自重局面と言えるだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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