ユーロ悪材料→1.4000・好材料→1.4500!乱高下必至?
ユーロ圏財務相会合ではギリシャのデフォルト(債務不履行)回避について論議され、当面、ギリシャ支援策に一定の合意を得られたため、投資家心理が若干緩和されたことを受けて、ユーロは1.43台まで 下げ幅を解消している。
一方、ユンケル・ユーログループ議長が支援合意を強く指摘した上、7月3日にユーログループ緊急会合を開くことを決定し、相対的に欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の保証枠が現行の4400億ユーロから7800億ユーロへと増額されるとの見方が広まっていることがユーロ買いを後押ししている。しかしながら、ギリシャが第5回目の7月融資を受けるためには、ギリシャ議会が780億ユーロの緊縮財政策を承認する必要があり、未だに条件付きのギリシャ支援策と言わざるを得ない。そして、ギリシャ財務相は、28日までに承認される可能性があることを示唆しているが、ギリシャ国民の約半数が同国政権の新たな緊縮財政法案に反対しているとの観測は根強く、今後もギリシャ議会の難航が予想されるだけに、ユーロドルの乱高下は避けられない状況にある。
他方、米国では景気減速懸念が先行する中、本日は景気下振れ指標でもある住宅関連(5月中古住宅販売件数)が発表されるが、市場予想では前月505万件からの低下が見込まれてはいるものの、住宅関連指標の悪化は織り込み済みでもあり、米ドルの調整売りも限定的と判断するのが妥当であろう。
いずれにしても、ギリシャ問題に振り回される展開は否めない相場環境であり、当面、場当たり的になるが、悪材料が出れば、1.4000前後までの急落、そして、好材料ならば、1.4500までの上昇を踏まえた上で臨機応変で乗り切るしか妙味はないだろう。