リスク回避相場!難易度高し、レンジ拡大で逆張り?
ユーロドルがギリシャの債務不履行や景気減速懸念が高まる中、リスク回避の動きが早まり、ユーロドルは1.44台半ば前後の高値から1.41台半ばまで300ポイントほど急落している。
先のユーロ圏財務相会合ではギリシャへの追加支援が表面的には合意されたものの、民間のギリシャ債保有者に負担を強いる債務交換を主張しているドイツに対して、ECB、フランスは償還分を新発債に乗り換えてもらうロールオーバーを主張している。しかしながら、格付け会社フィッチはロールオーバーでもデフォルトに該当すると言及するなど、ギリシャ問題に対する不透明感が一層強まり、相対的にギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びている。同時に、ギリシャの財政破たんが他のユーロ諸国に及ぼす影響も図り知れず、欧州連合EUの手詰まり感と共に、ギリシャ問題を先延ばしせざるを得ない状況になっている。また、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの国債保証コストは過去最高に上昇する反面、米10年債利回りが3%を下回るなど、市場はリスク選考型による消去的なドル買いに傾斜している。
一方、6月ニューヨーク連銀管轄地区の製造業活動は、市場予想に反して縮小、また,米住宅業者の景況感を示す指数は9カ月ぶりの水準に低下するなど、米景気減速懸念が高まっており、NYダウは12,000ドル割れ、そして、世界経済の下振れリスクから原油価格は4ヵ月ぶりに95ドル割れまで反落するなど、マーケットは混迷を極めている。
いずれにしても、日米欧共に低迷時期に直面しており、為替相場は更に難易度を強めざるを得ないが、ドル円のみならず、他の主要通貨もレンジ幅を拡大した上で、逆張り志向で臨むことが得策であろう。