米株安・債権利回り低下・原油高に一服感!ドル売り自重局面?
市場は手掛かり難の中、為替市場ではリスク許容度の低下から、相対的にリスク回避の動きが弱まり、調整度合いを強めている。
昨日は格付け会社S&Pがギリシャの長期債格付けをCCCに格下げし、見通しもネガティブとしたことから、一時円買い・米ドル買いが優勢になったものの、ギリシャの
格下げ問題にはもはや新鮮味がなく、米景気減速懸念を背景にドル売りに傾斜している。しかしながら、米株式市場、原油価格市場、そして、債券市場の利回り低下にも一服感が生じており、更にドル売りを敢行する地合いには至っていない。
一方、本日の日銀金融政策決定会合では、前回示した景気見通しや金融政策スタンスから変更はないと思われるが、政策金利の据え置き、そして、資産買い入れ基金も据え置かれる見通しとなっており、為替市場への影響は限定的であろうが、ドル円の下値79.50円前後、そして、上値81.50円前後にはオプション・トリガーやストップロスが山積している状況であり、ドル円相場は短期的には80〜81円のレンジ相場と化しているのが現状であり、同レベルからのナンピン売買で対処するしか妙味がないだろう。
他方、ユーロ圏においては、ECB側は今年のインフレ見通しを引き上げた上、7月の利上げは織り込み済みであるが、次年度以降のインフレ見通しを予想中央値である1.7%に据え置いており、また、ギリシャを含む重債務国の財政負担増を考慮すれば、将来的な利上げ余地は残されていないとの見方が台頭している以上、ユーロの買い戻しも限定的と言わざるを得ないだろう。