ユーロ急ピッチの上昇に息切れ感!(ペットチャート公開)
主だった経済指標もなく手掛かり難の中、海外市場序盤ではギリシャの追加支援合意や米雇用統計の悪化などを背景にして、ユーロは堅調に推移していたが、ユンケル・ユーログループ議長がユーロ相場は客観的に過大評価、ユーロのレートに対する具体的な目標があるわけではないと言及したことや、レーン欧州委員がユーロ高けん制発言をした事を受けて、急ピッチのユーロ上昇に歯止めがかかっている。また、格付け会社フィッチがギリシャの格付けについて、救済目的の債務交換が行われればCに引き下げの可能性を示し、例え民間債権者が自主的に債務繰り延べに応じたとしても、条件が悪くなるようであれば、デフォルトとみなすとしていることもユーロ売りを誘発している。しかしながら、相対的に調整段階の域を脱しておらず、1.4500〜1.4700のレンジ幅での攻防の中で売買を模索するしか妙味はないだろう。
一方、ドル円は米景気先行きに不透明感が広がる中、一時5月5日以来となる80円の大台を割り込みながら、再三再四80円割れを試す動きを見せているが、短期筋としても、日本経済の停滞または後退観測が強まる中、円を積極的に買いづらい側面がある。また、直近のユーロ高を含めて、他の主要通貨も円に対して強含みの状態にあるため、円売り介入に関しても懐疑的との見方が支配的であるが、米欧の不確実性が加わったことで、相対的にリスク回避的な円買い余地を残しているため、上値の重い展開を強いられている。
他方、シカゴIMM通貨先物(投機筋)においては、為替相場の難易度と共に円・ユーロ・ポンドなどの主要通貨が軒並みポジション縮小を迫られている。現段階では方向性に欠けており、相場の動意付けが必要であろうが、動き損にならないようにジックリ待機策で臨むことが賢明であろう。